インテントデータとは、ユーザーが「何をしたいのか」という意図を、検索行動や閲覧履歴などから読み取ったデータのことです。
顧客が商品の比較検討をデジタルで行う現代では、担当者が会う前にすでに営業は始まっているといっても過言ではありません。
本記事では、購買意図を示すインテントデータの意味や活用方法、違法性などについて解説します。
この記事を読めば、タイミングよく顧客にアプローチでき、成約率を向上させるための、より精度の高い戦略立案が可能になるでしょう。
インテントデータとは、インターネット上で見込み顧客が行った行動から推測される「意図」や「関心」を可視化したデータのことです。
データの取得では、特定のキーワードでの検索履歴やWebサイトの閲覧履歴、資料のダウンロードといったユーザーの行動を分析します。これにより、自社サイトを訪れる前の潜在的な悩みや、商品購入を検討しているタイミングなどを推測できます。
インテントデータは、過去の購買データやアンケートなどと違い、顧客のリアルタイムのニーズが反映されているため、マーケティングや営業に役立つ可能性が高いのが特徴です。
インテントデータと従来の行動データの違いは、データが示す目的の深さと発生場所です。
たとえば、行動データでは「自社の料金ページを見た」「資料をダウンロードした」という事実のみがわかります。
一方、インテントデータでは「過去1ヶ月間にわたり、複数のサイトで『CRM 料金』といったキーワードを頻繁に検索している」という背景までがわかります。
インテントデータは、自社サイト以外の外部メディアでの行動や閲覧履歴を含み、顧客が現在何を解決しようとしているかという背後の意図までを推測可能です。
つまり、行動データが「点」の動きであるのに対し、インテントデータは「線」で顧客の興味関心の推移を捉えるものであり、より精度の高いアプローチができるようになります。
現代のBtoBビジネスにおいてインテントデータが不可欠なのは、顧客の購買プロセスの大半が営業担当者に会う前に終わってしまうためです。
インターネットの普及により、顧客は営業担当者に問い合わせる前に自ら情報を収集し、商品の比較検討を済ませるようになりました。顧客の検討期間にアプローチできなければ競合他社に先を越されてしまうため、潜在的なニーズを早期に察知するインテントデータの重要性が高まっています。
たとえば、ある企業が新しいツールを導入しようとする際、インターネットで検索して比較記事を読んだとします。インテントデータを活用していれば、その企業が問い合わせのアクションを起こす前のニーズが高まった段階で、自社から情報提供を行うことなども可能になるでしょう。
顧客の検討が終わる前に接触機会を作るためにも、インテントデータを用いた先回りの戦略は、現代の営業の重要な要素といえます。
インテントデータの種類は「ファーストパーティ」「セカンドパーティ」「サードパーティ」の3つに分類されます。
ファーストパーティデータとは、自社が直接収集・保有しているインテントデータです。
自社のWebサイトやメールマガジン、CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)などを通じて蓄積されます。自社との関わりがある顧客のデータのため、情報の正確性が高いのが特徴です。
自社サイトの特定の記事を何度も読み返しているユーザーや、過去に失注したものの最近になって再び商品紹介ページを閲覧し始めた企業などがこれに当たります。これらの動きは、確度の高い見込み顧客のサインとなります。
まずは、自社内に眠っているファーストパーティデータを整理・分析することが、インテントデータ活用の第一歩となるでしょう。
セカンドパーティデータとは、パートナー企業などの他社から提供・共有されるインテントデータのことです。
自社だけではリーチできない範囲の顧客行動を、パートナー企業やメディア企業がもつデータを活用することで補完できます。
IT製品を扱っている企業が、ITのカテゴリーに強い関心を示している企業のリストを、ベンダー(販売業者)から提供してもらう場合などが該当します。自社サイトに来ていないが、他社メディアで熱心に調べている層などを特定できるでしょう。
自社だけでは把握しきれない「外部での検討状況」を探るために、セカンドパーティデータの活用は有効な手段です。
サードパーティデータとは、自社とは関係のない外部組織が、広範なWebサイトから収集・集計したインテントデータです。
多くのドメインやWebサイトを横断して収集されるため、自社との接点がまったくない潜在顧客の動向まで把握できるボリュームがあります。
これにより、まだ自社を知らないターゲット企業に対して、適切なタイミングで広告を配信したり、その企業へアプローチしたりすることが可能になるでしょう。
市場全体の動向観察や新規ターゲットの開拓において、サードパーティデータは有力な参考情報となります。ですが、最近はプライバシー保護の観点から、サードパーティデータの利用は規制が進んでいるのが現状です。
インテントデータを活用することで、これまでの営業やマーケティング活動の効率を上げられます。
ここでは、インテントデータを導入することのメリットを紹介します。
インテントデータを活用すると、アプローチすべき企業の優先順位が明確になり、ターゲティング精度を高められます。
従来の属性によるターゲティングだけでは、その企業が今、商材を購入したいと思っているかどうかはわかりませんでした。しかし、インテントデータを活用することで、属性が合致し、商品の購入を現在検討している企業をピンポイントで抽出できます。
たとえば、1,000社のターゲットリストがある場合、すべてのターゲットに順番にアプローチせざるを得ませんでした。インテントデータを使えば、その中でも購入意欲が高いと考えられる企業を特定できるため、無駄なアプローチを減らし、受注確度の高い顧客にリソースを集中させられます。
限られたリソースで成果を出すために、インテントデータにもとづいた精度の高いターゲティングは大きく役立つでしょう。
インテントデータを使うことで、顧客の具体的なニーズをより深く理解できます。
顧客が閲覧している記事の内容や検索ワードの種類を分析することで、検討している機能や、懸念しているポイントが推測できるためです。事前の情報なしに商談に臨むよりも、顧客の関心に合わせた提案や準備が可能になります。
たとえば、ある企業が「リモートワーク 導入」だけでなく「リモートワーク セキュリティ 規程」というキーワードを一緒に調べていることがわかったとします。すると、単なる導入のメリットだけではなく、セキュリティ対策や運用ルールの策定支援に関する提案書なども準備して、商談に臨めます。
顧客のニーズを汲み取った提案は満足度を高め、成約率の向上にも貢献してくれるでしょう。
インテントデータは営業活動だけでなく、製品開発やサービスの改善に役立ちます。
市場でどのようなキーワードの検索が増えているか、どのような課題に関連するコンテンツが読まれているかなどを分析することで、世の中のトレンド(流行)をいち早く察知できるためです。
トレンドに気付けば、該当する自社商材の要素を強化したり、キャッチコピーをそのトレンドを中心に書き換えたりすることで、より市場に合わせた営業展開が可能になります。
インテントデータを市場調査のツールとして活用することで、データにもとづいた迅速なプロダクト改善や戦略立案ができるようになるでしょう。
インテントデータには、利用するにあたって注意すべき点も存在します。
高品質なインテントデータを活用するには、相応の導入費用や運用コストが必要です。
とくにサードパーティデータを提供しているプラットフォームは、膨大なデータを収集・解析するための高度な技術を用いているため、利用料が高額になる傾向があります。
インテントデータツールを導入する場合、月額数万円〜数十万円以上のコストがかかることも珍しくありません。また、ツールを導入しても、データを分析して営業戦略に落とし込める人材がいなければ、効果は薄れてしまうでしょう。
ツールの導入前に、費用対効果を十分にシミュレーションし、コストに見合う成果が出せる体制を整えることが重要です。
Grand Centralでは、約840万件と日本最大級の法人データをもつユーソナー株式会社様と提携し、インテントデータを活用した営業も提供しています。
システムの構築やデータの使い方に不安がある方でも、一気通貫でお任せいただけますので、興味のある方は以下の記事をご覧ください。
インテントデータは企業の行動履歴を扱うため、プライバシー保護や法令遵守の観点から慎重な管理が求められます。
昨今では、個人情報保護法などデータプライバシーに関する規制が世界的に厳しくなっているためです。
たとえ個人名が含まれない法人単位のデータであっても、取得経路や利用目的の透明性を確保しなければ、企業としての信頼を失うリスクがあります。
インテントデータを使用する際、そのデータが適切な同意を得て取得されたものかを確認せずに利用し、後から問題になるケースが考えられます。また、収集したデータを社内でずさんに管理していると、情報漏洩につながる可能性もあります。
インテントデータ活用においては、情報システムや法務部門と連携し、最新のプライバシー規制に準拠した運用フローを構築することが必要です。
インテントデータにはいくつか活用方法がありますが、ここでは「セールス」と「マーケティング」に分けて、営業の現場でどのように使われるかを解説します。
インテントセールスとは、顧客の検討意図をつかみ、最適なタイミングでアプローチを行う営業手法です。
従来の手当たり次第にアプローチする営業スタイルは効率が悪く、顧客側からも迷惑がられる傾向があります。しかし、インテントデータを活用すれば、顧客が課題を感じ始めた頃にコンタクトできるため、アポイント獲得率や商談化率の向上が可能です。
インテントデータの使い方としては、たとえば自社製品に関連するトピックを熱心に調べている企業がいたら通知が届くように設定します。通知が来たら当日中に、その企業の担当者へ役立つ資料を送付したり、電話でアプローチしたりする方法などが挙げられるでしょう。
顧客としても、ちょうどよいタイミングで連絡が来たと感じるため、話を聞いてもらいやすくなります。タイミングを逃さないインテントセールスは営業の生産性を向上させ、無駄のないスマートな活動ができます。
Grand Centralでは自社に合ったペルソナや戦略の策定、ノウハウの提供から営業の代行まで、上場企業での営業経験もあるトップセールスが全面的に支援しています。
インテンスセールスに興味のある方も、ぜひお気軽にご相談ください。
インテントマーケティングとは、顧客の意図に合わせて広告やコンテンツを分け、顧客体験を最適化するマーケティング手法です。
顧客一人ひとりの検討フェーズに合わせて適切な情報を届けることで、離脱を防ぎ、自社への興味を効率的に深めてもらえます。
たとえば、特定のキーワードを検索している層に限定してWeb広告を配信したり、購買意欲の高そうな見込み顧客を抽出して営業担当に引き渡したりすることが考えられます。
一律のメッセージではなく、顧客の意図に寄り添ったマーケティングを行うことで、成約率の向上が期待できるでしょう。
インテントデータの利用は、適切な手順を踏んでいれば違法ではありません。
多くのインテントデータは、個人の氏名や連絡先を直接特定するものではなく、Cookie(クッキー。サイトの閲覧情報を一時的に保存する仕組み)やIPアドレスを用いて企業単位や匿名ユーザー単位で集計されているためです。
ただし、Cookieの利用にはユーザーの同意が必要な場合がほとんどで、各国・各地域の法令を遵守することが前提となります。
法的なリスクを避けるためには、信頼できるベンダーのツールを選び、自社のプライバシーポリシーを適切に更新しておくことが重要です。
Grand Centralのセールスデベロップメントは、上場企業での営業経験があるプロフェッショナルが戦略の策定や実行など、営業を全面的に支援するサービスです。
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シースリーインデックス様で行った詳しい支援内容については、以下の記事をご覧ください。
顧客の行動がデジタル化し、営業担当者が介在する前に意思決定が進む現代において、インテントデータの活用は営業の成果を大きく左右します。
最適なタイミングで見込み顧客にアプローチできるようになれば、会社の持続的な成長に役立つでしょう。
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