営業の外注(アウトソーシング)を検討する際、「本当に自社の課題解決になるのか」「費用対効果は見合うのか」といった懸念はつきものです。特に近年は、営業プロセスの複雑化により、自社に合った依頼先の見極めが難しくなっています。
判断を誤らないためには、「どこまで外部に任せるか」「何を成果として期待するのか」を事前に整理しておくことが重要です。
この記事では、営業外注のメリットやデメリットを整理し、失敗しないパートナー選びの基準や具体的な進め方まで詳しく解説します。事業を加速させる営業組織づくりのヒントとしてご参考ください。
営業外注(営業アウトソーシング・営業代行)とは、テレアポや商談、契約後のフォローなど、営業活動の一部またはすべてを外部の専門企業に任せる手法です。
人材派遣との違いは、「指示された業務をこなす人員」ではなく、「案件運用まで含めて任せられるチーム」を提供する点にあります。
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項目 |
人材派遣 |
営業外注 |
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契約形態 |
労働者派遣契約 |
請負契約・準委任契約 |
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支払う対価 |
労働時間 |
業務の遂行・成果 |
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運用判断 |
自社で指示 |
外注先が設計・判断 |
人材派遣は人手の補充であり、日々の動き方は自社が管理する必要があります。一方で営業外注は、外注先が持つ営業ノウハウや判断力ごと任せる手法です。商談の進め方やアプローチ方法、優先順位の判断などを外注先が主体となって行います。
自社だけで営業体制をつくる場合と比べて、営業外注には立ち上がりの速さと運用の再現性に明確な違いがあります。ここでは、企業が外注を採用する際に重視するメリットを解説します。
外注を活用すると、採用・教育を経ずに、営業活動をすぐ開始できる体制を作れます。
自社で未経験者を採用した場合、求人の反応から入社までに数ヶ月、そして研修やOJTを経て実務を任せられるようになるまでさらに時間がかかるため、戦力化までの期間は半年ほどかかることが珍しくありません。
一方で外注の場合は、法人営業の経験を持つメンバーが担当に入るため、基本的な説明や商談運びの確認に時間を使わずに済みます。発注側が伝える内容は、自社商材の特徴や伝えたいポイント、狙っている顧客層といった点が中心となり、準備にかかる工数をおさえられます。結果として、契約から稼働開始までの期間が短くなり、営業活動を早い段階で進行可能です。
営業外注の活用を含め、組織のリソース不足を解決するための具体的なノウハウについては、以下の資料をご覧ください。
正社員を採用すると、給与だけでなく社会保険料・賞与・設備費といった支出が毎月固定で積み上がります。これらは一度抱えると途中で減らしにくく、事業計画の変動に合わせて調整しづらい点が経営側の負担になります。
【正社員雇用にかかるコスト例】
営業外注を活用する場合は、これらの固定費を外注費として扱えるため、事業の状況に応じて稼働量を調整できます。繁忙期には人員を増やし、業務量が落ち着けば依頼範囲を見直すといった形で、負担を過度に抱えずに運用できます。固定費を大きく増やさずに売上機会を取りにいける点が、経営判断としての大きな利点です。
売れるかわからない段階で人を雇うのは、企業にとってリスクが大きいものです。営業外注を活用すれば、社内の配置転換や採用を待たずに市場検証を始められます。
初期の数十件の打診や商談を通じて、「反応のある顧客層」「響く伝え方」などが早い段階で明らかになり、どの方向に事業を伸ばすべきかの判断を迷わず行えます。固定費を抱える判断より先に市場の声を確かめられる点が、外注の大きな価値です。
ここでは、営業の外注を検討する際に注意すべきデメリットを2つ解説します。
外注を使う場合でも、進め方によっては社内に知見が蓄積されにくくなる点は注意が必要です。営業活動を業者任せにすると、社内に残る情報が限られ、契約終了後に再現できない状態に陥ることがあります。
たとえば、「どのようなトークで顧客の心が動いたのか」「なぜ断られたのか」といった売れるためのプロセスが、組織に引き継がれません。結果として、内製化に戻す際に担当者が「どこから手をつければよいか」と判断できない状態になります。
こうしたリスクを避けるには、受け取る情報の粒度と形式をあらかじめ決めておくことが大切です。以下のような仕組みを設けることで、外注期間の活動を自社の資産として残せます。
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対策 |
詳細 |
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活動レポートの質を高める |
具体的な商談内容や顧客の反応を共有してもらう |
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商談データを資産化する |
商談の録音データや文字起こしログの納品を義務付ける |
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マニュアル作成を依頼する |
将来的な内製化を見越して、営業トークスクリプトやFAQの作成まで支援してくれる会社を選ぶ |
外部の業者に大切な顧客リストを渡す以上、情報漏洩のリスクはゼロではありません。また、成果報酬型の代行会社では、単純に「何件お電話しましたか」や「何件アポイントを取れましたか」といった数量指標を追うこともあり、顧客への接し方が雑になる場面が生まれがちです。
「しつこい会社だ」という悪評が立てば、自社のブランドイメージが大きく損なわれるでしょう。リスクを回避するためには、外注を検討する際に以下のポイントを押さえておくことが重要です。
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リスク回避のチェックリスト
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営業外注で対応できる業務範囲は多岐にわたります。ここでは、具体的な5つの領域を解説します。
外注で任せられるリード獲得は、ターゲット設定から初期接触までの一連の業務です。Web広告やウェビナーなどの「オンライン施策」から、展示会出展やDM送付といった「オフライン施策」まで幅広く支援しています。
ターゲット選定やリスト作成も依頼可能です。たとえばエンタープライズ(大手)企業を開拓したい場合、手紙を送付して決裁者へのアポイントを狙うなど、ターゲットに合わせた戦略的なアプローチを実施します。
テストセールス・インサイド〜フィールドセールスの外注では、新規事業の初動から商談・契約までの実働をまとめて任せられます。立ち上げ直後は、まず少数の顧客に接触し、「どの顧客層が反応するか」「どんな切り口が話を聞いてもらえるか」「商談のどこで止まりやすいか」といった判断材料を短期間で集めるテストセールスを実施します。
その後、興味を持った顧客に対してはインサイドセールスが温度感を高め、一方で商談段階ではフィールドセールスが意思決定まで運ぶ、というように外注側のチーム内で連携が取れるため、初動の検証と実働を並行して進められる点が外注活用の強みです。
カスタマーサクセスの外注では、受注後のフォローや継続利用につながる接点づくりまで任せられます。
たとえば、以下のように毎日の細かな接点を外注側が担当します。
対応の内容や顧客の声はレポートとして共有されるため、「どの顧客がどこでつまずいているか」「継続に向けて改善すべき点は何か」「追加提案の余地がある顧客はどこか」といった判断材料を、営業責任者が随時確認できます。
日々のフォローは外部が担い、自社は改善や提案設計に集中するといった役割分担により、継続率や追加提案の精度を高めやすくなります。
外注に任せられるのは実働だけではありません。市場調査やペルソナ分析に基づき、目標達成に向けたロードマップやKPIの設計も任せられます。
また、成約率の高い「勝ちパターン」を反映したトークスクリプトや応酬トーク集を作成し、成果の再現性を高めます。
外注では、SalesforceなどのSFA/CRMを選ぶ段階から導入・定着まで一連で任せられます。たとえば、「どの項目を記録すれば営業判断がしやすくなるか」「案件管理をどう設計するとチームが動きやすいか」「現場の負担を増やさずに入力を続けられる仕組みは何か」
といった 運用して初めて見えてくる部分まで外部のコンサルタントが設計します。
データを可視化して属人化を解消するほか、研修やアセスメントを通じて、組織の全員が成果を出せる教育体制の構築をサポートします。
営業外注の料金体系と費用相場は、契約形態によって大きく異なります。主な料金体系は「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つです。
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体系 |
費用相場(目安) |
特徴 |
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固定報酬型 |
月額140万円〜 |
・毎月一定額が発生 ・稼働量が保証され、PDCAを回しやすい |
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成果報酬型 |
成約1件につき1〜3万円or売上の30~50% |
・成果が出た分だけ支払う ・初期リスクは低いが、アポの質にばらつきが出やすい |
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複合型 |
月額20万〜350万円 + 成果報酬 |
・固定費をおさえつつ、成果に応じたインセンティブを支払う ・バランス型 |
外注費用を比較検討する際は、「どのターゲットに、どのような温度感で、どこまでの工程を任せられるか」までセットで確認することが重要です。
ここでは、営業外注の会社と契約前に確認すべき3つのポイントを解説します。
支援社数だけでなく、自社と類似した案件での成功事例があるかをチェックします。なぜなら、商材によって営業の難易度や求められるスキルが異なるからです。
特にITツールやコンサルティングサービスなどの無形商材は、形のある商品よりも価値を伝える難易度が高いため、専門的な実績の有無が成果を左右します。
以下の観点で実績をチェックしましょう。
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実績確認のチェックリスト
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外注を利用する際に誤解が起きやすいのが、「どこまで任せられるのか」の認識ズレです。単に架電や訪問だけを依頼するのか、対応範囲をあいまいにしたまま進めると、期待した業務が進まなかったり、改善の依頼が後手に回ったりします。
また、日報の内容や頻度、チャットツールですぐに連絡が取れるかどうかも重要です。活動内容が不透明だと、適切な指示が出せず、結果的に進行が滞ることがあります。
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確認項目 |
チェックポイント |
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対応範囲 |
戦略立案やトークスクリプトの修正提案は含まれるか |
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報告頻度 |
日報・週報はあるか、定例ミーティングの開催頻度は十分か |
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連絡手段 |
SlackやChatworkなどでリアルタイムに連携できるか |
アポイント数だけを目標にすると、成約見込みのないアポばかり増えてしまうリスクがあります。アポイント後の「商談化率」や「受注率」まで追いかけ、成果を細かく数値化して報告してくれる会社を選びましょう。
勘や根性ではなく、データに基づいて「なぜ売れないのか」「次はどうするか」を議論できるパートナー選びが重要です。
ここでは、営業外注をスムーズに進めるための手順について、5つのステップにわけて解説します。
まずは「なぜ外注するのか」を言語化しましょう。「手数が足りず人手が欲しい」のか、「社内にノウハウがないからプロの知見が欲しい」のかによって、選ぶべき会社やプランが変わるからです。
弊社であれば、顧客の目的にあわせて以下の成果を提供可能です。
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目的 |
Grand Centralの提供価値・実績 |
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リソース不足の解消 |
圧倒的な成果とスピード Sansan株式会社様の事例では、3ヶ月で116件を受注し、受注率45%超えを達成。月200件以上のアポイント創出も可能です。 |
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ノウハウの獲得 |
トッププロによる仕組み化 キーエンスやSalesforce出身のプロが、「営業の型」を構築してナレッジを共有します。 |
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新規事業の検証 |
最短サイクルの市場調査 朝日新聞社様の事例では、高速でPDCAを回し「売れる商品に変わっていく」プロセスを実現しました。 |
次に、「アポイント取得までを外注し、商談は自社で実施する」「商談やクロージングまですべて任せる」など業務範囲を明確にしましょう。
業務範囲があいまいだと、成果が出なかった際に責任の所在がわからなくなり、トラブルの原因になります。戦略と実行が分断するリスクを防ぐため、広範囲をカバーできる会社を選ぶのがおすすめです。
弊社では、戦略立案からインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスまでをワンストップで支援しています。プレイヤーとして実働しつつ、コンサルタントとして組織の型化も進める「二刀流」の動きが可能です。責任の所在が明確になり、成果につながりやすくなります。
最終的な売上目標(KGI)を達成するために必要な、具体的な行動目標(KPI)を代行会社と合意します。架電数・アポイント率・受注率など、どの数字を評価基準にするかを事前に決めておきましょう。
【共有すべきKPIの例】
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行動指標 |
・架電数 ・コンタクト率 |
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成果指標 |
・アポイント数 ・有効商談化率 |
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品質指標 |
・アポイントの質(決裁者比率など) |
スムーズな連携のために、具体的なルールを決めます。社内に専任の窓口担当者を1名置き、質問や確認事項がすぐに解決できる体制を整えましょう。レスポンスが遅れると、代行会社の活動が止まり、成果が出るまでの期間が長引きかねません。
弊社では、クライアントファーストでその日中に対応するスピード感を徹底しています。Slackなどのチャットツールで、日々の活動内容や思考プロセスまで透明性をもって共有しますので、安心して任せください。
以下の記事では、営業代行会社の選び方をチェックポイント式に解説しているため、ぜひ参考にしてください。
レビュー・改善の定例会を設定しましょう。外注後は「やりっぱなし」にせず、定期的な振り返りの場を設けます。
最低でも月に1回、できれば週に1回の定例会議を実施することをおすすめします。活動データを元に「何が良かったか」「次はどう攻めるか」を話し合い、改善のサイクル(PDCA)を回し続けることが欠かせません。
弊社の定例ミーティングでは、単なる数字の報告ではなく、「次はどう攻めるか」といった戦略的な議論をおこないます。改善点は当日か翌日には反映され、超高速でPDCAサイクルが回るため、最短距離で成果に近づけます。
失敗には典型的なパターンがあり、事前に知っておくことで回避可能です。ここでは、代表的な2つの失敗例を紹介します。
外注でもっとも多いのは、課題とサービス内容のズレです。単純な選び間違いというより、以下のように必要な要件の整理がなされていない状態で契約してしまうことが原因です。
結果として、アポイントの「数」は増えても、契約率が上がらず、現場の負担だけが増えていきます。
こうした失敗を避けるには、目的と課題に合ったサービスを選ぶことが大切です。たとえば、決裁者アポや深いヒアリングが必要であれば固定報酬型のように質を担保しやすい契約形態が向いています。一方、商談の間口を広げたい段階では成果報酬型が向いていることもあります。
担当者の対応力不足で連携に支障が出るケースも少なくありません。営業代行会社を選定する際、商談担当者は優秀でも、実際に稼働を管理するプロジェクトマネージャー(PM)の能力が低いとプロジェクトは失敗します。
「連絡が遅い」「現場の声を吸い上げてくれない」といったストレスは、成果が出ない要因です。契約を結ぶ前に、実際の担当PMと面談をおこない、コミュニケーション能力や熱量を確認しましょう。信頼できるパートナーかどうかの見極めが大切です。
Grand Centralができることを紹介します。弊社は単なる営業代行ではありません。「コンサルティング」と「実行支援」をかけ合わせた独自のサービスを提供しています。
ここでは、弊社のサービス「セールスデベロップメント」の概要と、他社にはない特徴、支援実績について解説します。
Grand Centralが提供するセールスデベロップメントとは、「営業コンサルティング」と「営業代行」を統合したハイブリッド型の支援サービスです。一般的な営業代行は、リストへの架電や商談といった「実行」のみを担います。
しかし弊社は、経営課題を理解した上で「売れる仕組み(戦略)」を構築しながら実行。戦略なきテレアポは一切おこなわず、上流の戦略設計から実働、そして改善までを一気通貫で支援し、クライアントの事業成長にコミットします。
Grand Centralならではの3つの特徴を紹介します。弊社が多くの成長企業に選ばれている理由は、以下の3点にあります。
キーエンスやSalesforce出身のトップセールス経験者がプロジェクトを主導します。初動の判断や営業現場での温度差が成果に影響するため、経験の浅いスタッフが単独で担当することはありません。
勘や根性に頼らず、数値を元に戦略を立案します。Salesforce等のツールを活用し、高速でPDCAを回します。
代行し続けることをゴールにしていません。勝ちパターンを構築したスクリプトやノウハウを貴社に提供し、自走できる組織づくりを支援します。
Grand Centralのご支援実績を紹介します。スタートアップから大手上場企業まで、幅広い業界で成果を創出してきました。
Sansan株式会社様は、イベント事業における新領域での新規顧客獲得が課題でした。短期間で成果を出すために外部委託を検討され、アクションプランへの柔軟な対応力が決め手となり、契約に至りました。
支援を通じてもっとも高く評価された点は「スピード感」です。商談を迅速に進め、具体的なフィードバックを提供した結果、あらゆる施策の効果検証につながりました。
最終的に3ヶ月で116件を受注し、受注率は45%超えを達成。「Grand Centralなくしては、今回のイベントの成功はなかった」との評価をいただいています。
株式会社ドコモ・バイクシェア様は、自転車シェアリングサービスの拡販に際し、社内リソースの不足に悩まれていました。支援の結果、前例がない支援会社が多い中で、契約件数の増加を実現しました。
単なる代行にとどまらず、能動的な改善提案や漏れのない進捗管理が高い評価を受けています。他社と比較した際の対応の丁寧さも信頼につながり、創業当初からの長期的な支援関係を築いています。
株式会社オロ様は、クラウド型業務システムのマーケティングにおいて、目標商談数の未達成が課題でした。他社に依頼した際は、リード情報は獲得できても商談数が増えないという苦い経験をおもちでした。
Grand Centralの提案はKPIや目標値の設計が明確で、目標達成のためのアイデアに独自性があった点が評価され、契約に至ります。
支援の結果、商談数の増加だけでなく、アポイントの質も向上しました。結果へのコミット力やアプローチの多様さが評価され、現在はさらに稼働の幅を広げて支援を継続しています。
今回は、営業外注のメリットや選び方、成功のポイントについて解説しました。
営業リソースの不足は、企業の成長を止める大きな要因です。しかし、優秀な営業担当の採用は簡単ではありません。だからこそ、信頼できるプロフェッショナルの力を借りる選択が求められます。
単なる代行ではなく、貴社の事業成長にコミットするパートナーをお探しなら、ぜひGrand Centralにご相談ください。戦略的な営業組織の構築を全力で支援します。