営業リストが古くて連絡が取れない状況や、同じ企業が重複して管理が追いつかない状態は、営業活動の効率を下げる要因になります。営業リストの作り方を整理し、設計から見直すことで、無駄な作業を減らし判断の精度向上が可能です。
本記事では、Excelやスプレッドシートでの運用を前提に、ターゲット条件や整理、情報収集、重複を防ぐ管理の考え方を解説します。
営業リストとは、営業活動の対象や優先度を整理するための基盤です。新規開拓を進めるうえでの判断材料として欠かせません。ここでは、営業リストの基本的な役割と重要性を解説します。
営業活動における営業リストは、新規開拓を進める際の判断基盤となります。営業成果は、誰に対して、どの内容を、どのような手段で伝えるかによって左右されますが、その前提となるのが営業リストの精度です。
とくに、SaaSやコンサルティング商材では、対象を絞らないアプローチは効率を下げる可能性があります。
精度の高い営業リストがあれば、優先順位を整理しながら取り組めます。また、営業リストによって進捗や対応状況を共有でき、チームでの判断基準がそろいやすくなるでしょう。
成果につながらない営業リストには、設計や管理の段階で共通する問題があります。とくに、次のような特徴をもつリストは改善が必要です。
営業リストは、行動を決めるための材料として整え続けることが重要です。
営業リストの作成作業の前に、誰に何を届けたいのかを明確にすると、リストの精度や運用のしやすさが変わります。成果につながる営業リストを設計する際の、主な3つの考え方を解説します。
営業先のターゲット条件の明確化は、営業リストの精度を左右する重要な工程です。業界や企業規模を大まかに設定しただけでは、自社商材が合わない企業が含まれやすくなります。現場での判断に迷いが生じ、対応の質の低下にもつながるでしょう。
自社にとってどのような企業が適しているのかを整理し、条件としての具体化が必要です。たとえば、業種や従業員規模、地域、事業の動き、採用状況などが検討材料に含まれます。除外条件を定めておくと、運用の負荷を抑えられます。
営業リストを整える際は、企業情報と人物情報を分けて考える視点が必要です。BtoB営業では、1社に対して複数の部署や担当者と接点をもつことがあり、すべてを1行にまとめて管理すると、対応状況が見えにくくなります。
たとえば、1行に「企業名・担当者名・連絡先・対応履歴」をまとめていると、担当者が変わるたびに新しい行を追加することになります。同一企業が複数行に分散し、重複連絡や判断ミスが起こりやすくなるでしょう。
営業リストは、情報の役割ごとの整理が不可欠です。
このように分けることで、企業単位での対応状況が把握しやすくなり、営業判断の精度も保てます。
営業リストを作成する前には、どのチャネルでアプローチを行うのかを確認します。電話での営業では、部署や担当者につながる番号が必要です。メールやフォームの場合は、連絡先と事業内容を把握できる情報が欠かせません。
前提条件を決めないまま情報収集を進めると、必要な項目が不足し再調査が発生します。必要な項目を整理し、更新や管理ルールを共有しておくことで、運用を続けやすくなります。
営業リストの作成は、手順を整理して進めると使用しやすくなります。基本的な進め方を3つの工程に分けて解説します。
営業リストを作成する際は、営業先となる企業の条件を具体的に整理することが重要です。業界を広く設定しただけでは、自社商品と合わない企業が含まれる可能性があります。
また、業種や従業員規模、地域などの基本情報を明確にすることで、採用活動や事業の動きも条件として確認できます。既存取引先や競合企業は、事前に除外しましょう。条件を整理しておくと、リスト作成後の判断がしやすくなります。
情報収集ルートは、目的に応じて選定する必要があります。自社で蓄積している名刺情報や過去の失注データは、内容を確認しやすい情報源です。新規開拓では、企業の公式サイトや採用ページなどの公開情報も参考になります。
また、有料の企業データベースを使用する方法もあります。Musubu(ムスブ)やSalesNow(セールスナウ)を用いると、条件に沿った企業を整理できるでしょう。公開情報では、プレスリリースも確認し、企業の動向を把握します。複数のルートを使い分けることで、精度と負荷のバランスを保てます。
リスト項目の設計では、収集した情報をどのように管理し、判断に使用するかを意識します。企業を識別するための法人番号やWebサイトのURLを基準に整理すると、重複の把握が可能です。また、対応状況や結果を記録できる項目を設けることで、判断の経緯を追いやすくなります。
項目を増やしすぎると更新が滞るため、運用に必要な範囲に絞ることも重要です。チームで同じ基準を共有できる設計に整えると、リストを継続的に使用できる状態に維持できます。
整理した営業リストの情報を、どのような構成で反映し商談につなげるかについては、以下の記事にて紹介しています。
情報のバラつきや重複の整理は、判断の精度を保ちながら安全にアプローチできます。使える営業リストに仕上げるための、主な3つの工程を解説します。
表記ゆれや重複データは、営業リストの運用過程で発生することがあります。整理されていない状態では、同一企業に対して複数の担当者に連絡してしまう可能性も否めません。「株式会社」「(株)」、数字の全角と半角のような違いでも、別の企業として扱われる場合もあるでしょう。
入力時の表記ルールを統一し、法人番号やWebサイトのURLを確認します。定期的に一覧を見直す工程を設けることで、不要な連絡や混乱を防げます。
同一顧客データの統合管理では、複数の情報源から集めた内容を企業単位で整理します。企業名は変更されることがあるため、名称だけで管理すると過去の対応履歴を見落とす可能性があります。
法人番号や公式サイトのURLを基準にすると、成約や失注の経緯、過去の反応を企業単位で確認が可能です。担当者が変わっても判断の背景を共有でき、対応方針をそろえた営業活動につながります。
営業リストは、作成後も状況が変化します。企業の移転や組織変更、担当者の異動によって、連絡先が使用できなくなるケースもあります。とくにメールを使用する場合、誤ったアドレスへ送信してしまうと、以降の連絡に悪影響が出る可能性もあるでしょう。
公開情報やプレスリリースを定期的に確認し、電話番号やメールアドレスの変更を反映させます。一定の間隔でリスト全体を見直す工程を設けるだけで、実際に連絡が取れる状態を維持できます。
Grand Centralでは、営業リストの作り方や運用を含めて、戦略設計から実行、改善までを一貫して支援しています。詳しくは、以下のサービス概要をご覧ください。
営業リストの項目設計や運用ルールを整えることで、日々の更新や共有を安定して行えます。Excelやスプレッドシートを用いた営業リストの管理方法を解説します。
Excelやスプレッドシートで営業リストを管理する場合は、操作ミスを起こさせない設計が重要です。自由に編集できる状態だと、列の削除や並び替えによるズレが発生する可能性があります。
進捗や結果は入力規則を使用し、選択式で統一します。自由入力を減らすことで、表記のバラつきを抑えられるでしょう。
法人番号や公式サイトのURLなど、識別に使用する列には保護を設定します。定めたテンプレートに沿って更新する運用を続けることで、誤操作が発生しにくい管理状態につながります。
営業リストを継続的に活用するためには、更新と共有のルールの明確化が必要です。担当者ごとに管理方法が異なると、進捗や対応履歴が把握しづらくなります。リストをクラウド上など共通の管理場所に設定し、全員が同じ資料を参照します。
連絡後は、一定の時間内に履歴を反映させるルールを設けましょう。共通の手順を定めることで、担当者が変わっても同じ基準で運用できます。
営業リストの対応の優先度や訴求内容を結びつけることで、判断に迷わない運用につながります。日々の営業活動にどう活かすのか、作って終わりにしない営業リストの主な3つの使用方法を解説します。
アプローチ設計では、営業リスト内の企業に優先度を設定することが重要です。少人数のチームの場合、営業リストを上から順に対応していても、優先度や連絡内容が決まっていないと担当者ごとに対応が分かれます。
たとえば、「今連絡すべきか」「まず資料案内にするか」といった判断がその都度必要です。
条件ごとに区分を設けておくと、対応の判断がそろえやすくなります。Excelやスプレッドシートで優先枠を分けて管理を行えば、チーム内で判断基準を共有できます。
訴求内容と仮説の紐づけでは、企業ごとに伝える内容を整理します。営業リストにあるすべての企業に対して同じ説明を行うと、相手の状況と合わない場合があります。
企業の事業内容や動きから、関心をもちやすいテーマを想定しましょう。そのうえで、自社がどのような内容で役割を果たせるかを整理します。想定した訴求内容をリストに記載しておくと、担当者ごとの説明においてバラつきを防げます。
反応データを次回リストに反映する考え方では、実際の営業活動から得た結果の見直しが重要です。
連絡後の反応や商談の有無、断られた理由などを記録し、一定期間ごとに確認します。その内容をもとに、反応が見られなかった条件を調整し、成果につながった属性を次回の抽出条件に組み込みます。
Excelやスプレッドシートに残した履歴を活用することで、判断根拠の共有が可能です。営業リストの見直しを繰り返し行いながら、リストの内容を業務に沿った運用へと整えていきましょう。
営業リスト作成時は、手作業だけでは情報収集や管理が追いつかないこともあります。ここでは、AIを取り入れる考え方を解説します。
AIで代替できる工程には、情報収集とデータ整理があります。Webサイトやプレスリリースに掲載された企業情報を抽出し、一覧化することが可能です。
最新の取り組みや事業内容を整理することで、手作業による確認の負担を抑えられるでしょう。また、Excelやスプレッドシート内の表記統一や不要な重複の確認にも、AIが活用できます。
このような作業をAIに任せることで、担当者は、訴求内容の検討や対応方針の整理に時間を充てられます。
AIを営業リスト作成に用いる場合は、できることとできないことを区別します。AIが取得した連絡先や役職情報は、必ずしも最新内容とは限りません。最新確認は、人が行う工程を残しましょう。
また、法令や各社の利用条件にも注意が必要です。送信を控えるべき窓口や手段を見落とすと、企業の信頼に影響を及ぼします。AIは情報収集や整理を支援する役割として位置づけ、判断や対応方針は担当者が担う体制を整えます。
営業リストを運用する際は、法令や実務上のリスクの把握が必要です。ルールを理解しないまま進めると、意図せず不適切な対応につながる場合があります。押さえるべきリスクを2つ解説します。
営業リストを扱う際は、個人情報や法務に関する基本ルールの理解が不可欠です。BtoBの営業活動でも、個人情報保護法や特定電子メール法の対象となる場面があります。
メール送信では、送信者情報や連絡先、配信停止の方法を明示します。問い合わせフォームを利用する場合は、利用規約に営業目的の制限がないかの確認が必要です。
AIを用いた情報収集でも、取得元や利用範囲を確認し、社内ルールに沿って管理を行いましょう。法令を前提に運用することで、安定した営業活動を続けられます。
質の低い営業リストを使用し続けると、業務効率が下がるだけでなく、相手企業からの評価を損ねる可能性があります。また、情報整理が不十分な状態だと、同じ企業に繰り返し連絡してしまう可能性もあります。社内で情報共有がされていない印象を与えてしまうでしょう。
このような状態が続くと、確認や修正のような不要な対応が増え、本来注力すべき企業への時間が減り営業活動全体の質にも影響を及ぼします。リストの内容は定期的に確認し、現在の運用に合った状態を維持することが重要です。
営業コンサルティングと営業代行は、いずれもクライアント企業の営業活動を支援するサービスですが、どちらか一方だけでは根本的な課題解決に至らない場合があります。
コンサルティングだけでは理論的なアドバイスにとどまり、実際の成果につながらない場合があります。一方、営業代行だけでは、中長期的な利益向上を見据えた計画が立てられず、一時的な対策に終わってしまう可能性があります。そのため、両者をバランスよく組み合わせたアプローチが注目されています。
このような背景から、Grand Centralはコンサルティングと営業代行をハイブリッドした支援を提供しています。コンサルティングで仮説を立て、営業代行で検証することで、営業活動における持続的な成功を支援します。
キーエンス、リクルート、Salesforceなどでトップレベルの営業を経験してきたコンサルタントが、営業戦略立案、仮説検証、マネジメントを行います。実働を担当するのも弊社のノウハウが身に付いたメンバーです。弊社独自の制度で選定された実力のある人材や、100%子会社の社員が担当します。
戦略立案からインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスまでワンストップで支援します。オーダーメイドのプランでは、ターゲットやサービス特性に合わせた個別対応が可能です。また、SFA構築・運用や営業研修、組織構築など、クライアント企業が自走できる支援メニューを幅広く提供しています。
営業結果を多角的に分析した営業データ、勝ちパターンが構築されたスクリプトや応酬トーク集など、Grand Central独自の営業ノウハウをクライアント企業のサービスや組織に合わせた形で提供します。報告資料も詳細に記載し、成果や進捗状況をいつでも確認できる体制を整えています。
代表的なご支援実績を紹介します。ほかのご支援実績については、こちらからご覧ください。
株式会社pray様は、新規コンサルティング事業の立ち上げにあたり、顧客獲得チャネルの検証を進める必要がありました。テレアポを軸とした仮説をもちながらも社内に知見がなく、検証を進めるパートナーとしてGrand Centralにご依頼いただきました。
支援開始後は、稼働までの早さを重視しながら、状況に応じたトークスクリプトの見直しやリスト設計の調整を実施しました。サービス内容が変化する中でも、都度アプローチ方法を切り替え、PDCAを短いサイクルで回しています。
担当コンサルタントについては、誠実さや具体的な提案内容が安心感につながったと評価をされています。
朝日新聞社様は、新規事業の商材において、限られた体制の中で営業活動を進める必要がありました。営業が属人的・局所的になりやすいという課題があり、短期間で幅広い営業戦略を実行するため、Grand Centralへの依頼を決めたといいます。
支援では、テレアポや商談同席を通じて顧客の声を収集し、その内容をもとに営業手法や提案内容を整理しました。実際の反応を踏まえた助言により、商材や販売メニューの見直しにもつながっています。
営業活動で得た情報を社内へフィードバックする工程で進めたことで、既存の営業組織とも連携しやすかったと振り返られています。
営業リストの作成は、情報を集める作業ではなく、営業方針を具体化する工程です。ターゲットとなる企業像を整理し、必要な条件を明確にします。情報収集や整理では、AIや外部データを補助的に使用し、最終段階では人の判断が必要です。
Excelやスプレッドシートで管理する場合は、更新や共有のルールを定め、運用を継続させます。連絡後の返信有無や商談につながったかどうかの結果を振り返り、次回のリスト作成への反映が重要です。
営業リストの作り方や運用を含む営業支援の考え方、具体的な進め方は、以下の資料をご参照ください。