インサイドセールスの課題を解決する10の方法|改善の必要ツールも紹介

「インサイドセールスを立ち上げたものの、商談化率が伸びない」「他部署との連携がうまくいかず何も進まない……」インサイドセールスにおける課題が解決できず、お悩みではいないでしょうか。
インサイドセールスは、迅速かつ効率的に顧客ニーズに対応できる営業手法として注目されている反面、思ったほど効果を得られず苦戦するケースも多くなっています。
本記事では、インサイドセールスでつまずきやすい10の課題と解決法、改善に欠かせないツールをまとめています。本記事を参考に、自社のボトルネックを明確にすれば、インサイドセールス改善の第一歩を踏み出せるでしょう。
この記事を監修したコンサルタント
目次
インサイドセールスの特徴と求められる理由

インサイドセールスは、マーケティングが獲得したリードへ電話・メール・オンライン商談といった手段でアプローチを行う内勤型の営業手法です。
とにかくアポ件数を増やすわけではなく、マーケティング→インサイドセールス(IS)→フィールドセールス(FS)の間でKPIや責任範囲を揃え、確度の高い商談のみをパスする点が大きな特徴です。
近年、インサイドセールスの需要が高まっている背景には、営業活動のデジタル化があります。コロナ禍を経てオンライン商談が浸透し、対面訪問なしでも商談が成立する環境が整いました。
また、営業人材の不足や採用コストの高騰により、限られた営業リソースを最大限に活用する必要がある点も、インサイドセールスの需要が増している理由です。
インサイドセールスにおける10の課題と解決法

インサイドセールスを導入したものの、「アポ数は増えたが受注につながらない」「他部署との連携がうまくいかない」といった悩みを抱える企業は多いでしょう。
インサイドセールスを成果につなげるためには、頻発しがちな課題とその解決法を事前に把握することが重要です。多くの企業が直面するインサイドセールスの10の課題と、それぞれの実践的な解決法をご紹介します。
- 部門ごとのKPIを設定し連携を図る
- 適切な役割設計を行う
- 見込み顧客の課題を理解する
- 顧客情報の管理体制を整備しデータ活用を行う
- モチベーションが上がる仕組みを作る
- メンバーのサポートを積極的に行う
- PDCAを回し業務改善を図る
- 成功事例が共有される仕組みを作る
- スキルアップの研修を行う
- .最短の成果創出を目指すなら外注も検討する
1.部門ごとのKPIを設定し連携を図る
マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの3部門で、KPIや役割の認識が揃っていなければ、まずは認識を統一しましょう。
たとえば、マーケティングがリード数だけを見ていたり、インサイドセールスが接続率だけを追っていたりすると、部門間の連携が不十分で最終的な受注へつながりにくくなります。
改善の第一歩は、売上や受注数といった最終的な目標であるKGIから逆算して、各部門間のKPIを再設定し、ひとつのKPIツリーとしてまとめることです。
各部門が「どの指標に責任をもつのか」「どこがボトルネックか」を共通の数字で会話できるようになります。部門間の連携が強まることで、受注獲得へつながりやすくなるでしょう。
2.適切な役割設計を行う
インサイドセールスはBDR(アウトバウンド)とSDR(インバウンド)の2種類に分けられますが、役割を曖昧にしないことが大切です。
役割が不明確なまま業務を進めると、同じリードへの二重対応を行ったり、放置されるリードが発生してしまったりと、顧客対応の質の低下につながります。
そのため、社内のインサイドセールスの役割を下記のように切り分けましょう。
- BDR:ターゲットリストに対するアプローチ
- SDR:問い合わせ・資料DLなどリードの初期対応
また、対応の重複や漏れを防ぐために、ツールを導入するなど、顧客情報を一元管理するための仕組みを作りましょう。
3.見込み顧客の課題を理解する
単にサービス紹介だけを行うのではなく「なぜ検討が始まったのか」「何に困っているのか」など、顧客の背景まで踏み込んだヒアリングを心がけましょう。
課題の理解が浅いまま見込み顧客にアプローチしてしまうと、商談化率が伸び悩んでしまいます。
商談の際はSPIN話法やBANT、MEDDICなどのフレームワークを参考に、顧客の課題を深掘りできるヒアリングシートを用意しておくとよいでしょう。
|
また、直近の失注案件を振り返り、見込み顧客のニーズを再分析し改善につなげることも大切です。
4.顧客情報の管理体制を整備しデータ活用を行う
顧客情報の管理体制を整備し、営業活動のためのデータ活用に活かしましょう。
顧客情報が各担当者のメモやExcelに散らばっている状態では、二重対応や抜け漏れが発生しやすく、データの分析も行えません。
管理体制を整備するためには、CRMやSFAで入力項目・ステータス・更新ルールを全員で統一することが重要です。
項目が統一されていれば、管理ツールからデータを抽出し、下記のような分析も簡単に行えます。
- 商談化率のボトルネック
- 失注理由の傾向
- 担当者ごとのヒアリング品質
結果として、正しいデータに基づく改善が可能になり、インサイドセールス全体の生産性が向上します。
5.モチベーションが上がる仕組みを作る
インサイドセールスは架電を断られることも多く気持ちが疲弊しがちなため、メンバーがモチベーションを保ち続けられる仕組みづくりを行いましょう。
気合いや精神力だけでは長続きしませんが、以下のようなメンバーがモチベーションを保ち続ける仕組みが備わっていれば、主体的に頑張りやすくなります。
- 社内表彰で成果を出したメンバーを称賛する
- 良質なヒアリングや入力の丁寧さなど、過程を評価する制度を導入する
- 小さな成功体験を共有する場を設ける
チームが長期的に成果を出し続けるためには、上記のような制度設計を行いモチベーションを保ち続けることが大切です。
6.メンバーのサポートを積極的に行う
インサイドセールスはスキルの習得にバラつきがあることから、成果を出せず悩みを抱えるメンバーが出やすいため、積極的にサポートを行いましょう。
何のフォローもないままだと、休職や退職につながるおそれもあるため、マネージャーやリーダーが日頃からメンバーを気にかけておくことが大切です。
ちょっとした声掛けや気遣いはもちろん、通話録音を使った具体的なフィードバックや、成功・失敗事例の共有を継続的に続けるとよいでしょう。
成果に悩んでいるメンバーを後押しし、伴走サポートを続けることは管理職の大切な仕事です。
7.PDCAを回し業務改善を図る
組織の成果を安定させるためには、蓄積されたデータを使ってPDCAを回し業務改善を図りましょう。
成果が安定しないチームは、明確な狙いや仮説をもたずに架電やメールを行ってしまい、活動の目的がぼやけがちです。
たとえば2週間〜1ヶ月といった短いスプリント期間を設定し「今回は接続率改善」「次は商談化率改善」といったように、具体的なテーマに絞って集中的に分析と検証を行いましょう。
検証結果をまとめ、業務へ反映し、改善のナレッジがチームに蓄積されていけば、着実に成果へ反映されていきます。
8.成功事例が共有される仕組みを作る
エース社員のノウハウを分析・共有したり、トークスクリプトへの反映を行ったり、成功のための取り組みが他のメンバーへしっかり共有される仕組みを作りましょう。
成果が出ているメンバーのノウハウが個人の中に閉じて、スキルが属人化してしまうと、チーム全体の商談化率は伸びません。
たとえば、週次ミーティングで今週の成功パターンを紹介する時間を設けたり、通話録音のレビュー会を実施したりすれば、メンバー全体のスキルの底上げが進んでいきます。
9.スキルアップの研修を行う
インサイドセールスは専門性が高い職種のため、月1度のロールプレイング研修やツール研修を計画的に行いスキルをアップデートさせましょう。
インサイドセールスは、顧客のニーズを探るヒアリング力や顧客の課題を整理する要約能力、SFA・CRMを活用するITリテラシーなど、専門性が求められる職種です。
入社時だけ育成を行い、その後に学びの機会がないと、メンバーのスキルは停滞してしまいます。継続的なスキルアップのために、月1度のロールプレイング研修やツール研修など、計画的な研修を行いましょう。
自社のインサイドセールスに必要なスキルセットを棚卸しし、継続的な研修を続けることで、メンバーは成長していきます。
10.最短の成果創出を目指すなら外注も検討する
最短で成果を出すためには、内製にこだわらず外注を検討することも大事です。
なぜなら、立ち上げ初期の企業や、社内リソースが不足している企業では「何から整えればいいかわからない」「トークスクリプトの作成やツールの導入、社員教育のすべてが同時に必要」といった状況に陥りがちです。
社内整備に膨大な時間をかけすぎた結果、プロジェクトが頓挫するようなケースもあるでしょう。
このような場合は、インサイドセールスの一部の機能や業務を外注したり、専門家の支援を組み合わせたりして、成果創出を目指しましょう。
- アウトバウンドだけ外部に委託する
- インバウンドを内製、立ち上げの部分のみ外部に支援してもらう
- 半年間だけ伴走支援を受けて、ノウハウ定着後に自走する
はじめに「自社に必要な業務」と「外注可能な業務」を切り分けることで、無理なく最短で成果を出せる体制が整うでしょう。
Grand Centralでは営業戦略の設計、インサイドセールスの代行、営業組織の伴走支援など、幅広く営業活動をサポートしています。
インサイドセールスに課題を感じている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
資料ダウンロードDonwload
インサイドセールスを改善するなら集客手段の見直しも効果的

インサイドセールスの成果を改善するには、マーケティング施策を見直し、リードの質を高めることが効果的です。
インサイドセールスに課題を感じているとき、通常はトークスクリプトの見直しや架電数から手をつけるでしょう。
しかし、そもそものリードの質が低ければ、インサイドセールス側がどれだけ努力をしてもKPIの改善には限界があるでしょう。なぜなら、購買意欲の低い見込み客にいくらアプローチしても、商談化率や受注率は向上しないからです。
そこで重要になるのが、以下のような、温度感の高いリードの増加につながるマーケティング施策の見直しです。
- 集客サイトのコンテンツ強化:ターゲット顧客の課題に即した記事やホワイトペーパーを充実させる
- 広告配信のターゲティング精査:業種、企業規模、役職などセグメントを細かく設定し、確度の高い層にリーチする
- セミナー・ウェビナーの改善:テーマや訴求内容を見直し、購買意欲の高い参加者を集める
集客施策を根本的に見直せばインサイドセールスが追うべきリードの質が向上し、営業効果の改善が期待できます。
さらに、チャネル別に商談化率や受注率を可視化して、続けても効果が薄い施策や伸ばすべき施策を判別することも大切です。適切にリソースを分配できれば、成果の改善につながるでしょう。
インサイドセールスの改善に必要なツール

この章では、インサイドセールスが直面する「非効率」や「属人化」といった課題を解消するために、どのようなツールが必要なのかを解説します。
- MA(マーケティングの自動化)
- SFA(営業活動の効率化)
- CRM(顧客管理)
- CTIシステム(電話とPCを連携)
それぞれのツールを使いこなすことで、インサイドセールス組織全体の生産性アップにつながります。
MA|見込み顧客へのアプローチを自動化し、商談機会を増加
MA(マーケティングオートメーション)は、「手元にリードはあるのに、どれから追えばいいかわからない」という悩みを解消するツールです。
顧客のWeb行動にスコアを付与し、下記のように温度感を数値化することで、インサイドセールスが今アプローチすべき顧客を判別できます。
- セミナー参加:+20点
- ホワイトペーパーDL:+5点
- htmlメール開封:+3点
マーケティング部門は一定スコアを超えたリードだけをインサイドセールスに割り当てていくため、同じ架電数でも商談化率が大きく向上し、営業活動を効率化できます。
また、温度の低い顧客にナーチャリングのためのメールを自動送信する機能もあり、見込み顧客の獲得には欠かせないツールです。
SFA|営業活動の見える化で効率アップ
SFA(セールスフォースオートメーション)は、インサイドセールスの活動を構造化して記録し「ボトルネックがどこにあるのか」を可視化するツールです。
営業活動の履歴が、各担当者のやり方でバラバラに管理されていると、商談化率や失注理由の分析、ステータスの共有が効率的にできません。
SFAを導入すれば、担当者やリードのフェーズ、次回アクションといった項目を各社員が正確に記録しやすくなります。共通のデータが揃うことで、ボトルネックの分析や案件の現状把握などが簡単にできます。
CRM|顧客情報を一元管理
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)は、顧客単位で情報を整理し、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスが同じ情報を共有するためのツールです。
SFAと少し似ていますが、SFAが受注までのプロセスを管理するのに対し、CRMは受注後の関係強化が主になる点が大きな違いです。
CRMで担当者ごとの接触履歴や顧客の課題、メール配信の可否などを一元管理することで、長期的なフォローを行えたり、部門間での顧客情報の引き継ぎがスムーズになったりします。
また、MAと連携すれば、確度の高い顧客リストを自動抽出するなど、より高度な運用が可能になります。
CTIシステム|架電・受電内容を記録し対応品質を向上
CTIシステムは、電話をSFAやCRMと連携させ、架電・受電の履歴、通話録音を自動保存するツールです。
架電記録を手作業で行っていると、入力漏れや誤記などヒューマンエラーが発生しやすく、以下のような問題を引き起こしかねません。
- 担当者変更時に引き継ぎが不十分で、顧客対応の質が低下する
- 上司が商談の進捗を正確に把握できず、適切なアドバイスができなくなる
- 記録に時間を取られ、本来注力すべき架電業務の時間が削られ生産性が低下する
CTIシステムを導入すれば「誰が、いつ、どの顧客に、何分話したか」といった情報が自動で蓄積され、いつでも内容を振り返れるため、入力ミスを防ぎやすくなります。
また、通話の録音データは、案件レビューや成功したトークの要素の抽出といったメンバーのスキルアップにも活用可能です。
Grand Centralができること
「セールスデベロップメント」で戦略・戦術構築から実行まで支援

インサイドセールスの成果を安定させるには、営業プロセスの戦略設計、社内体制の整備、データに基づいたPDCAの回転など、多くの要素を整える必要があります。
しかし実際には「何から着手すべきかわからない」「人員や知見が不足して組織を設計できない」といった課題を抱える企業も多いでしょう。
Grand Centralの「セールスデベロップメント」は、まさにそのようなお悩みを解決するためのサービスです。
営業力を強みにする企業のトップセールスが集まり、インサイドセールスの立ち上げや内製と代行を組み合わせた運用支援など、お客様のニーズに沿ったご提案をいたします。
インサイドセールスに関するお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
資料ダウンロードDonwload
【支援事例】高速PDCAを回し3ヶ月116件受注|Sansan(株)さま

Sansan株式会社さまでは、Grand Centralの支援により3ヶ月という短期間で、116件の受注(受注率45%超)を実現しています。
同社は、イベント事業をより多くの企業へ広げるため、新しい領域での営業活動を短期間で成果につなげる必要がありました。
しかし、社内だけで体制を整えるには時間がかかることから、スピードと成果を重視し、弊社の「セールスデベロップメント」をご依頼いただきました。
具体的な支援内容としては、架電による営業活動に加え、イベントへの来場促進のためのプロモーション支援や、施策の効果検証・改善を高速で実施。商談状況や顧客の声を踏まえた具体的なフィードバックを日次レベルで提供し、最速でPDCAを回し続けました。
その結果、わずか 3ヶ月で116件の受注(受注率45%超)につながったことから、スピード・柔軟性・コミット力を高く評価いただき「Grand Centralなくして今回の成功はなかった」とうれしいお声をいただきました。
まとめ

インサイドセールスの課題は、単発の施策だけでは改善しにくく、戦略設計や体制づくり、データ活用など多くの要素が揃って、はじめて課題解決に結びつきます。
本記事で紹介した改善策をひとつずつ実施することで、商談化率や受注率の向上が期待できるでしょう。
もし自社だけでの改善が難しい場合は、外部の専門家を活用することで、最短で成果の創出に近づけます。
Grand Centralでは、インサイドセールスの課題解決はもちろん、戦略設計や営業代行など、幅広く営業活動をサポートしています。
社内のインサイドセールスや、その他の営業課題を抱えている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
営業に関するお悩みは、
Grand Centralが解決します。Contact
-
サービス内容・支援の
流れを解説します。サービス資料3点セット
ダウンロード
-
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ