“商品起点”から“課題起点”へ──潜在ニーズを掘り起こす保険営業の型づくり
Topics
- 3ヵ年の中計で全面転換、現場で使える手順書・マニュアルを共創
- Grand Central流の強みを自社文化に適合させ、 “明日からできる型”に落とし込み
- 既存の自社プロセス×GCのエッセンスを“摩擦を起こさずに”統合、言語化と構造化で再現性を担保
目次
Q.営業コンサルティングをご依頼されようと思われた理由をお聞かせください。
当社の主力は、いわゆる自動車・火災など “顧客が出来事をきっかけに自発的に必要性を認識する” 保険です。ディストリビューション(代理店チャネル)を通じ、顕在ニーズにいち早く辿り着くことを成功要因としているものの、今後は顧客がまだ気づいていない “潜在ニーズ” に働きかける商品を伸ばしていく方針を定めています。そのためには、商品起点ではなく課題起点へ、営業そのものを転換する必要がありました。
3カ年の中期経営計画でも “セールスのマーケットイン化” を掲げ、SME(Small and Medium Enterprise)室が具体的な推進を担っています。研修や勉強会は進めていたものの、現場が “同じ型” で実行できる手順書・マニュアルにまで落とし込めていなかったことが課題となっていました。そこで、実装まで伴走し、ノウハウが社内に残る形での支援を求め、Grand Centralさんにご相談しました。
Q.今回Grand Centralにご依頼してくださった理由や背景をお聞かせください。
潜在ニーズを掘り起こすセールスモデルに強い “キーエンス流の型” を持ちつつ、それを顧客企業の文化にフィットさせて再設計できる点が決め手でした。単にテンプレートを導入するのではなく、弊社の実情をアセスメントし、「何をどう変えるべきか」を言語化してくれるところに大きな価値を感じました。
特に印象的だったのは、営業スキルの中でも“すぐに明日から使える”要素を明確に切り出し、再現可能な仕組みとして体系化してくれた点です。たとえば、オープニングやBANTといった基本プロセスを、単なる理論ではなく「顧客との対話を通じて課題を引き出すための思考プロセス」として位置づけ、なぜそれが重要なのかを明確に示してくれました。これにより、属人的だった営業活動が、顧客課題を起点とした提案アプローチへと自然にシフトし、誰もが実践できる再現性の高い営業文化の基盤が整いました。
一般的なスキルトレーニングではなく、「なぜそれを行うのか」「やらないと何が起こるのか」という背景まで整理してくださった点が非常に大きかったです。私たちが日々模索していた“営業の科学化”に、実践的な道筋を与えてくれました。
Q.ご依頼前に不安はございましたか?
同部署内の別施策でもGrand Centralさんの支援を受けていたため、進め方のイメージは十分にあり、大きな不安はありませんでした。むしろ「自社で既に定義している営業プロセス」と「Grand Centralさんが持つベストプラクティス」をどう統合するかが論点でした。 結果として、Grand Centralさんは私たちの既存フレームを尊重したうえで、キーエンス流のエッセンスを“摩擦を起こさずに”うまく融合させてくれました。第三者の視点で曖昧な表現や解像度の低い箇所を指摘し、定義を磨き込む過程は、私たちにとっても学びが大きかったです。
Q.今回の営業支援に関してご満足いただけましたでしょうか?
満足度は非常に高いです。ゴールは手順書の完成ですが、その前提となる“なぜそのステップが必要か(ホラーストーリー/リスク)” “できている状態の定義(DoR)”など、プロセスの根幹となる部分を一つずつ言語化・合意できたことが大きな成果でしたね。
長く自社だけで見続けると、定義が曖昧になり、言葉が形骸化しがちですが、Grand Centralさんは俯瞰の立場でファシリテートし、表現の粒度から用語の整備まで徹底的に伴走していただけます。
その結果、現場で実際に行動変化を生み出せる“実践的な営業手引書”の構築へとつながりました。これは単に手順をまとめた静的なドキュメントではなく、営業担当者が「なぜそのプロセスが必要なのか」「何をもってできている状態なのか」を理解し、日々の活動に落とし込める仕組みです。形式ではなく行動を変えることを目的とした、まさに“生きたマニュアル”として機能することを目指しています。
Q.ご支援の中で特に印象に残っていることは何ですか?
明日からできることにフォーカスした設計です。たとえば、オープニングやBANT(予算・決裁・ニーズ・導入時期)は、意識を変えればすぐ実践できる領域だったので、ここを分かりやすい型に落とし込み、現場が踏み出しやすいスタートラインを作ってくれました。
また、自分たちだけでは見落としていた“思考の抜け”を第三者の視点で補ってもらえたことです。プロジェクトが進む中で、「それは何を目的にしていますか?」「理想の状態とは何ですか?」といった問いを何度も投げかけていただき、思考の解像度が一段上がりました。自社だけで作業を進めていると、慣れによる思考の固定化が起きがちですが、コンサルタントの方のリードによって論理構造が整理され、チーム全体の思考レベルが底上げされたと感じています。
Q.担当コンサルタントの印象はいかがでしたか?
課題の本質を的確に指摘してくれる一方で、常に前向きに受け止められるコミュニケーションが印象的でした。依頼通りに形にするだけでなく、「この定義は解像度が足りない」「ここはこう言語化したほうが伝わる」と、良いものを作るために必要な指摘をためらいません。その姿勢が、私たちの思考をもう一段深くしてくれました。
また、こちらの文化や制約にきちんと配慮しつつ、最適解に導くバランス感覚が秀逸だと感じましたね。若手・ベテランを問わず、腹落ちする伝え方で議論を前に進めてくれます。
Q.作成された成果物や、定例ミーティングの内容はいかがでしたか?
中核の成果物は「営業手引書(プロセス手順/定義/運用ルール)」と、それを支える研修用プレゼン・Excelツール群です。出来上がる前段で相当詰めたため、完成品は狙いどおりの骨太な内容になりました。
今後は、自社ならではの前書き(なぜ作ったか/期待する行動変容)や、動画・ケーススタディなど体得のための補助教材を組み合わせ、代理店・営業社員に一斉展開する予定です。単なる文書で終わらせず、習熟の設計まで視野に入れています。
Q.今後、社内でさらに取り組んでいきたいことは何ですか?
まずは手引書の定着です。代理店チャネルにレバレッジを効かせるため、腹落ち重視のコンテンツ設計を続けながら現場のフィードバックを収集し、定義や設問の言い回しを継続的にアップデートしていきます。
さらに、動画・ケース教材・ロールプレイ評価基準などを拡充し、インプット→実践→振り返りのループを高速化していきたいと考えています。最終的には、マーケットインの型が文化として根づく状態を目指しています。
Q.Grand Centralの強み・魅力を教えてください。
最大の強みは「意図を正確に言語化する力」と「課題を構造的に整理する力」です。こちらの曖昧な要望をそのまま受け取るのではなく、背景や目的を理解したうえで、より本質的な方向へ導いてくれる点に信頼を置いています。単なるコンサルティングではなく、“共創”という言葉がしっくりくる支援スタイルです。プロジェクトの途中で厳しい指摘を受けることもありましたが、それが常に成果物の完成度を高めるための建設的なやり取りだと感じられました。
Q.どのような企業にGrand Centralをおすすめしたいですか?
“営業しているつもりで、実は営業していない” 組織にこそおすすめです。これまでの「顕在ニーズの対応」から、「潜在ニーズの掘り起こし」へと軸足を移したい企業、チャネルにレバレッジを効かせる必要がある企業には強くフィットすると思いますね。
デジタルで顧客が自ら買いに行く時代、セールスの役割は “気づきを生むこと” へ。その転換を、現場で再現できる言葉と型に落とし込んでくれるのがGrand Centralさんです。
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取材協力