営業トレーニング術10選!スキルを強化するコツとAI活用法

「営業チームの成果が頭打ちになり、打開策が見つからない」「研修を行っても内容が定着せずメンバーが育たない……」営業の育成やトレーニング方法にお悩みではないでしょうか。
営業のトレーニングは、属人化を解消し組織力を高めるうえで重要ですが、効果的な仕組みがないと時間とコストを浪費するだけで終わってしまいます。
本記事では、成果に直結する営業力強化のトレーニング方法を10個紹介します。これらを参考に営業トレーニングを実践していけば、自走する強い営業組織へと変革できるでしょう。
この記事を監修したコンサルタント
目次
営業トレーニングが組織に必要な理由

営業トレーニングは、トップ営業のノウハウの共有や、新人を効果的に育成し組織全体の営業力を底上げするために必要です。
- 営業プロセス・営業スキルの属人化を防ぐ
- 新人・中堅のスキル差を埋める
- 新規顧客の獲得が望める
- 既存顧客との信頼関係が増す
この章では、営業トレーニングを導入すべき理由を紹介します。
営業プロセス・営業スキルの属人化を防ぐ
営業プロセス・営業スキルが属人化すると、トップセールスが退職や異動した際に、売上が大きく下がってしまうリスクがあります。
また、成果が特定の個人に依存していると、新人や中堅社員のスキルアップも進みません。
属人化は営業チーム全体に、不利益をもたらします。
属人化を防ぐには、社内のトップセールスの手法を分析し、誰でも再現できる営業プロセスとしてノウハウ化することが大切です。
ノウハウを社内トレーニングとして活用すれば、属人化を防げるだけでなく、組織全体の営業力が底上げされて安定した成果を創出できます。
新人・中堅のスキル差を埋める
新人と中堅のスキル差を早く埋めることで、新卒や未経験の中途社員のオンボーディング期間が短くなり、即戦力として働けるようになります。
新人と中堅が混在するチームでは、メンバー間のスキル差が大きくなり、指導役の中堅社員の負担が増大したり、チーム内の連携がうまくいかなかったりする場合が珍しくありません。
営業トレーニングを行うことで、中堅社員の負担が減り、目標達成に向けてチーム全体の足並みが揃うようになります。
Grand Centralでは新任インサイドセールスが、基本的な顧客対応方法やセールススキルを学び、早期戦力化を実現するための研修資料をご用意しています。
新人・中途社員を短期間で即戦力化したいご担当者様は、ぜひご活用ください。
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新規顧客の獲得が望める
効果的な営業トレーニングは、新規顧客の獲得(商談化率や受注率アップ)に直結します。トレーニングを実施する間は、営業活動が行えないため、短期的には時間的コストがかかってしまうものです。
しかし、そのコストを先々への投資と捉えることで、将来的な新規顧客の獲得へつながります。
短期的には負担となっても、長期的には売上アップを実現できるでしょう。
既存顧客との信頼関係が増す
営業トレーニングは新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客との関係強化にもつながります。
より的確に顧客の課題解決を行えるようになれば、長期的な信頼関係が構築され、さらにはアップセル・クロスセルによる顧客単価の向上も望めるでしょう。
結果として、顧客生涯価値(LTV)が上昇し、安定した収益基盤を確立できるようになります。
効果的な営業トレーニング10選

営業成果を最大化するには、闇雲にトレーニングを行うのではなく、目的に応じた適切なトレーニング方法を選ぶことが重要です。
属人化やスキル差といった課題解決に有効な、10種類の営業トレーニングを紹介します。
- ロールプレイング研修|トーク力や対応力を磨く
- フレームワーク研修|組織全体の営業力を底上げする
- プレゼンテーション研修|魅力的に提案する技術を育む
- アップセル・クロスセル研修|既存製品+αの提案力を強化する
- タイムマネジメント研修|時間を有効活用し生産性を最大化する
- ボイストレーニング|ハキハキと滑舌よく伝えられる
- 自社商材研修|商材への理解を深めセールストークを磨く
- 営業ツールの研修|事務作業や情報管理を効率化する
- ゲームを使った研修|主体的な学びで自然とスキルが身につく
- OJT研修|現場での経験を積み成功体験を重ねる
1. ロールプレイング研修|トーク力や対応力を磨く
ロールプレイング(ロープレ)は、営業担当者役と顧客役に分かれて商談を模擬練習する手法で、現場で使えるスキルを鍛えるのに最適です。
トレーニングを継続するためには、目的を絞った「ミニロールプレイング」を行うのが有効です。
たとえば、週1回10分だけでも「初回アポの掴み30秒だけ」「価格提示後の切り返しだけ」など、ルールを設定すると継続的にトレーニングへ取り組みやすくなるでしょう。
最近ではAIを相手役に、時間や場所を問わず練習できるようなツールも登場しています。
また、練習後には、マネージャーなどの第三者からフィードバックを受けることも大切です。
当事者では気づきにくい声のトーンや話すスピード、提案の説得力といった改善点を客観的に指摘してもらうことで、自己成長のポイントが明確になります。
2. フレームワーク研修|組織全体の営業力を底上げする
SPIN話法やBANT、MEDDICCといった営業フレームワークをプロセスに落とし込み研修を行うことで、組織全体の営業力の底上げにつながります。
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「SPINやMEDDICを導入したが実務でなかなか使えない」というような場合、フレームワークが知識(座学)で終わり、行動(実務)に結びついていない可能性が高いでしょう。
実務に落とし込むには、顧客の購買プロセスに沿って「いつSPINを使うか」「いつMEDDICで評価するか」といった運用方法をルール化しておくことが重要です。
3. プレゼンテーション研修|魅力的に提案する技術を育む
プレゼンテーション研修は、顧客の課題と自社サービスを結びつけ、サービスの価値を論理的に説明する提案力を鍛えるための研修です。
プレゼンテーションでは、機能説明に終始するのではなく「この提案で顧客のコストがいくら下がるか」といった費用対効果や、競合サービスに対しての優位性の提示を行いましょう。
研修の場で顧客の状況に寄り添った本質的な提案方法を練習しておけば、実際の商談でも成約に直結する説得力を発揮できるようになります。
また、オンライン商談では相手の関心が薄れやすいため、資料を全画面で共有する際は、リアルタイムで図や線を描きながら説明したり、問いかけを挟んで反応を確認したりする工夫・テクニックも重要です。
自社の機能説明ではなく、ヒアリングで得た顧客の経営課題に刺さる価値の提案ストーリーを話せるようになりましょう。
4. アップセル・クロスセル研修|既存製品+αの提案力を強化する
アップセル・クロスセル研修は、既存顧客との信頼関係をLTV(顧客生涯価値)の向上につなげ、平均契約単価を引き上げるための重要なトレーニングです。
新規顧客の獲得にリソースを集中させることも大切ですが、組織の安定成長には、既存顧客からの売上の拡大も必要です。
トレーニングのためには、既存顧客から直近の課題を事前にヒアリングし「この機能を追加すると、さらに〇〇の成果が出せます」といったように、メリットを提案するトークスクリプトを準備しておきましょう。
既存顧客とのコミュニケーションを次の価値提案として設計できれば、契約単価のアップにつながります。
5. タイムマネジメント研修|時間を有効活用し生産性を最大化する
タイムマネジメント研修は、営業担当者が「コア業務(顧客との対話・仮説構築)」に集中できる時間を捻出し、生産性を高めるために行います。
タイムマネジメント研修では、「重要度×緊急度」のマトリクスを用い、営業活動の分類を行いましょう。
そのうえで翌週の商談準備など、「重要だが緊急ではない」活動のための時間をカレンダー上で能動的に確保するブロックタイムの作り方を学びます。
時間を有効活用しやすくなり、限られた時間の中で最大限の成果を出せるようになります。
また、AIツール(議事録要約や商談の書き起こし)を活用し、非コア業務時間を徹底的に圧縮する効率化の手法もセットで勉強するとよいでしょう。
時間管理のスキルと、ツールで非効率な業務を削減するスキルの両輪でトレーニングを行えば、組織の生産性が飛躍的にアップします。
6. ボイストレーニング|ハキハキと滑舌よく伝えられる
ボイストレーニングは声のトーンや明瞭さ、話し方を練習することで、信頼感や熱意を顧客へ的確に伝えるためのトレーニングです。
とくにオンライン商談では、その場の空気やテンションが伝わりにくく、ラポール形成(信頼関係の構築)が弱くなりがちなため、ボイストレーニングが重要になります。
単に大きな声を出すのではなく、語尾を明確に発音し、相手が聞き取りやすい発声の明瞭さを鍛えましょう。
また、単調な話し方を避け、価値提案やクロージングでは、少しトーンを上げて強調する抑揚の付け方を覚えるのも大切です。抑揚をつけることで、 「ここが一番重要だ」 というメッセージが相手へ明確に伝わり、こちらの話に対して集中力を引き出す効果があります。
オンライン時代の営業トレーニングとして、声の技術を磨くことは、ラポール形成や説得力を高める専門スキルとして欠かせません。
7. 自社商材研修|商材への理解を深めセールストークを磨く
自社商材研修は、自社サービスの機能が「顧客のどの課題を、競合よりも的確に解決できるか」を深く理解し、価値提案の引き出しを増やすために行います。
商材理解が浅いと、たとえSPIN話法などでヒアリングを行っても、聞き出した顧客の課題と自社商材を結びつけられず、受注を逃してしまいます。
商材の「機能(Feature)」と、機能がもたらす「顧客の便益(Benefit)」を明確に分けて言語化し、顧客の課題から自社商材の機能を逆引きして提案する、課題解決マップや事例集を整備しましょう。
新製品が出たときだけではなく、定期的に最新の顧客課題や成功事例とセットで商材研修をアップデートし、ナレッジとして蓄積していくことが重要です。
8. 営業ツールの研修|事務作業や情報管理を効率化する
SFAやCRM、デジタルセールスルームといった営業ツールの研修は、入力作業の効率化と、蓄積されたデータを分析・改善に活用するために行います。
「SFAの入力に手間取ってしまう」「受注に至った要因をうまく分析できない」という悩みを解決するため、研修ではツールの操作方法に加えて、分析手法もセットで伝えましょう。
事務作業や情報管理といった業務が効率化でき、より本質的な業務へ時間を使えるようになります。
9. ゲームを使った研修|主体的な学びで自然とスキルが身につく
ゲームを活用した研修は、学習への心理的ハードルを下げ、営業のコアスキル(ヒアリング、交渉、仮説構築など)を楽しみながら学べる手法です。
座学の研修に比べて主体性が生まれやすいため、参加者の学習意欲が高まるメリットがあります。
ゲームを使った研修の例
- ヒーローインタビュー:選手役(顧客)とインタビュアー役(営業)に分かれ、話を引き出す練習をする
- NASAゲーム:月面で遭難した設定で、生存に必要なアイテムの優先順位をチームで決める
- 共通点探しゲーム:グループ内で制限時間内に共通点を多く見つけ出す
ゲームはあくまで手段であり、研修後には「現実の営業活動のどの場面で今日の学びが活きるか」を言語化する振り返りの時間を設け、現場での実践を促しましょう。
10. OJT研修|現場での経験を積み成功体験を重ねる
OJTとは「On-the-Job Training」の略で、実際の業務を通じて知識やスキルを習得する現場実践型の研修のことです。
ロールプレイングや座学で学んだスキルを定着させるためには、OJTによる指導が不可欠です。
なぜなら、座学での学びはあくまでも知識でしかなく、予想外の顧客の反応や突発的なトラブル、複雑な意思決定プロセスといった問題への対応力は現場でしか身につきません。現場での成功体験の積み重ねが、営業としての自信とモチベーションの源泉となります。
そしてOJTの際は感覚的な指導や、メンバーのモチベーションを削ぐようなフィードバックは避け、具体的な論理に基づいたコーチングを行いましょう。
論理的なフィードバックは、改善点が明確で伝わりやすいうえ、メンバーの納得感や主体的な成長意欲を引き出せます。
営業トレーニングで成長する5つのスキル

営業に求められるスキルは数多くありますが、すべてを一度に鍛えることはできません。
- 信頼関係を築く「傾聴・ヒアリング力」
- 課題を解決する「課題発見力」
- 顧客の心を動かす「プレゼンテーション能力」
- 決断を後押しする「クロージング力」
- 説得力を高める「ロジカルシンキング」
優先的にトレーニングで強化するべき、成果に直結する5つのスキルを紹介します。
1. 信頼関係を築く「傾聴・ヒアリング力」
顧客の潜在ニーズを掘り起こし信頼関係を築く傾聴・ヒアリング力は、すべての営業プロセスの土台になる能力です。
経験の浅い営業担当者は商品説明に集中しがちですが、トップセールスは顧客の話を「聴く」ことに時間を使います。
顧客に語ってもらうオープンクエスチョンや、相手の言葉を復唱して理解を示すバックトラッキングといった技術を実践し、顧客から積極的に相談されるような関係性を築きましょう。
表面的な会話だけでなく「実は〇〇で困っている」といった本音を引き出せる信頼関係を構築できれば、商談の質が大きく向上します。
2. 課題を解決する「課題発見力」
課題発見力とは、傾聴・ヒアリングで得た情報から、顧客自身もまだ明確に認識していない本質的な課題を発見する能力です。
顧客が「コストを削減したい」と言っている場合、表面的な要望に応えるだけでは真に顧客を理解しているとはいえません。
「なぜコスト削減が必要なのか」「削減できない真の原因は何か」を傾聴や分析から深掘りし、顧客も気づいていなかった本質的な問題を浮き彫りにする技術が課題発見力です。
顧客に「そこまで考えてくれるのか」と思わせる洞察を提供できれば、ただの営業担当者ではなく、信頼できるビジネスパートナーとして認識されるようになります。
3. 顧客の心を動かす「プレゼンテーション能力」
プレゼンテーション能力は、発見した課題に対し「なぜ自社のサービスが最適か」を論理的に示し、顧客の感情を動かす価値提案の能力です。
サービスの機能や仕様を並べるだけでは、顧客の心は動きません。
顧客の課題を起点に「この提案によってコストが何%削減できるか」「売上がどれだけ向上するか」といった費用対効果を具体的に示しましょう。
また、数字やデータだけでなく、成功事例やビフォーアフターのストーリーを交えることも重要です。
提案内容をより具体的にイメージさせ、納得と共感を得られるプレゼンができれば、受注率は大きく向上します。
4. 決断を後押しする「クロージング力」
クロージング力は、商談の最終段階で顧客の不安や懸念を解消し、購買決断を後押しする能力です。
成果につながるクロージング力とは、商談の最後に無理に契約を迫る技術ではありません。
商談の各ステップで「小さなYes」を積み重ね、顧客の不安を取り除き、最終的な決断へ導くプロセス管理の能力です。
意思決定に必要な情報をしっかりと伝え、顧客が自分の意思で決断を行える状態を作ることがクロージングでは大切です。
5. 説得力を高める「ロジカルシンキング」
ロジカルシンキング(論理的思考力)は、顧客の課題や状況を整理し、筋道の通った提案を構成するための能力です。
営業現場では、顧客から複雑な要望や曖昧な相談を受けることが多いため、課題の本質や最適な解決策を論理的に説明できる力が重要です。
たとえば顧客が複数の悩みを話した際に、優先順位をつけて「まず解決すべきは○○です」と整理するだけでも、提案の説得力が格段に上がります。
また、顧客からの質問や反論に対しても、感覚ではなく根拠を持って答えることで、顧客からの信頼が高まるでしょう。
営業トレーニングを成功させるための5つのポイント

営業トレーニングの導入にあたって「研修が定着しない」「トレーニングではうまくいくのに受注率が上がっていない」といった失敗は避けたいものですよね。
トレーニングを成果に結びつけるために重要な、5つのポイントを解説します。
- 具体的な目標設定を行う
- SFAやCRMツールからボトルネックを洗い出す
- 成功事例の共有が積極的にされる仕組みを作る
- 適切なフィードバックを行う
- 自社に合ったトレーニングを行う
1. 具体的な目標設定を行う
営業トレーニングの成否は、開始前の目標設定で決まります。
「KPIは追えても会話品質や提案力の評価の仕方が難しい」「結局トレーニングの何が成果に効いたかみえない」といった悩みが生まれるのは、目標が曖昧なまま研修を始めてしまうことが原因です。
トレーニングを成功させるカギは、KPIから逆算し「スキルアップするべき能力」を明確にすることです。
たとえば「受注率を3%向上させる」というKPIに対して、「顧客の潜在ニーズを複数引き出す」「サービスの費用対効果を口頭で簡単に説明できるようになる」といった行動目標まで落とし込みます。
このように具体的な行動指標を設定すれば、何を学び、どう実践すべきかが明確になり、トレーニング後の効果測定も可能になります。
2. SFAやCRMツールからボトルネックを洗い出す
SFAやCRMは単なる入力ツールとして使うのではなく、組織のボトルネックを洗い出すための分析ツールとして使いましょう。
このデータ分析に基づき、トレーニングの優先順位を決定します。
たとえば、商談化率は高いのに受注率が低い場合は、プレゼンテーション能力やクロージング力に課題がある可能性があります。
データから弱点を特定し、それを補強する研修を行うことで、トレーニングの有効性がより高まるでしょう。
3. 成功事例の共有が積極的にされる仕組みを作る
トレーニングの成果を活かすには、トップセールスの属人的なスキルを組織の全員が獲得できる仕組みを構築しましょう。
トレーニングでトップセールスの取り組みを学んでも、具体的な「勝ちパターン(効果的な質問や反論処理)」が共有されなければ、実務で応用できません。
現在は会話AIを活用し、トップセールスの商談内容を自動で分析・要約して「ベストプラクティス集」として共有する手法もあります。
こうした仕組みにより、成功のノウハウが組織全体に浸透し、個人の成長だけでなくチーム全体の営業力の底上げにつながります。
4. 適切なフィードバックを行う
トレーニングを定着させるためには、質の高いフィードバックを継続することが重要です。
そのためには指導役は主観的なダメ出しではなく、客観的なコーチングを行わなければなりません。
たとえば「プレゼンがわかりにくかった」という抽象的な指摘ではなく、「提案の前半で課題の確認が不足していたため、解決策とのつながりがみえにくかった」といったように具体的なアドバイスを行います。
併せて改善案や良かった点も具体的に伝えれば、営業担当者は自信を持ち、より積極的にトレーニングへ取り組むようになるでしょう。
5. 自社に合ったトレーニングを行う
営業トレーニングは、自社の商材特性や営業スタイル、顧客層に合わせてカスタマイズしましょう。
「研修をしたが、1ヶ月後に元に戻ってしまった……」という状態を防ぐには、自社の状況に合わせ、単発の研修ではなく継続的な取り組みを設計する必要があります。
たとえば週次のロールプレイで実際の商談シーンを再現したり、月次でトレーニングの成果を振り返るレビュー会を設けたりすれば、学んだスキルを業務の中で定着させられます。
トレーニングを一過性のイベントにせず、組織文化として設計することが、定着への道です。
営業トレーニングを実施する注意点

営業トレーニングは正しく実施すれば大きな成果をもたらしますが、設計や運用を誤ると、かえって組織の生産性を下げてしまうリスクもあります。
営業トレーニングの注意点と、回避のための対策を解説します。
- 一時的に教育コストがかかる
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 中途半端に行うとマイナスに働くおそれがある
一時的に教育コストがかかる
営業トレーニングの導入には、マネージャーのコーチング工数やメンバーの学習時間といった「時間的コスト」や、外部研修費やeラーニングの利用料といった「金銭的コスト」が一時的に発生します。
とくにトレーニング期間中は営業担当者が商談に使える時間が減少するため、短期的に売上が停滞する場合があります。
しかし、これは「将来の成果を生み出すための先行投資」と捉えるべきです。
適切なトレーニングを行えば、受注率の向上や商談期間の短縮により、中長期的には投資額を大きく上回るリターンが期待できます。
重要なのは、経営層や現場マネージャーが一時的なコスト増を理解し、焦らず継続的に取り組む覚悟を持つことです。
効果が出るまでに時間がかかる
営業トレーニングによる組織的な成果(受注率や平均契約単価の向上)は、すぐには現れず、効果が出るまでに数ヶ月~半年以上の時間がかかることもあります。
また、BtoB営業のように商談期間が長い場合は、トレーニングの効果が数字に反映されるまでに、さらに時間がかかる場合もあるでしょう。
そのため短期的な成果だけを追い求め「効果がない」と判断し、途中でトレーニングを中止してしまうと、せっかくの投資が無駄になってしまいます。
短期・中期・長期の目標を段階的に設定し、小さな変化や行動改善を評価しながら、粘り強くトレーニングを継続しましょう。
たとえば、最初の1ヶ月は「ヒアリング項目の実施率」、3ヶ月後は「提案品質の向上」、半年後は「受注率の改善」といった段階的な指標を設ければ、進捗を確認しつつモチベーションを維持できます。
中途半端に行うとマイナスに働くおそれがある
営業トレーニングを中途半端に実施すると、かえって現場に混乱を招きマイナスに働く可能性があります。
たとえばトップダウンで経営層から営業チームへ一方的に研修を押し付け、現場の課題や実態を無視しているようだと、営業担当者のモチベーション低下につながるでしょう。
また、学んだ内容と実際の営業プロセスが矛盾を起こし、現場が「研修内容」と「日々の業務」のどちらを優先すべきか混乱してしまうような場合も考えられます。
トレーニングを成功させるには、導入前の設計や実施中のサポート、実施後のフォローアップまで一貫して取り組む覚悟が必要です。
GrandCentralができること
「セールスイネーブルメント」で営業組織を強化

営業トレーニングを単発で終わらせず組織の文化として定着させるには、事前の課題の把握やトレーニング設計といった、仕組み作りに力を注ぐことが肝心です。
Grand Centralが提供する「セールスイネーブルメント」は、単なる営業トレーニングではなく、組織全体の営業力を底上げするための包括的な支援サービスです。
営業力を強みとする企業出身のトップセールスが貴社の課題をヒアリングし、ボトルネックを明確化したうえで、オーダーメイドの研修設計と継続的なフォローアップを行います。
営業トレーニングに関するお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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属人営業を脱却|(株)イビコンさまの営業支援事例

(株)イビコンさまでは、Grand Centralの支援により、引き合いベースの一気通貫型営業から、インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制への転換に成功しました。
また、営業活動の効率化とデータ蓄積のルーティン化も実現しております。
同社はSalesforceを導入したものの属人的な営業スタイルからの脱却が進まず、THE MODEL型の営業組織構築に課題を抱えていたため、Grand Centralへご相談をいただきました。
弊社では、まず社員10名へのヒアリングを実施し、現場の課題を把握した後に下記のような包括的な支援を実施いたしました。
- Salesforceの設計見直し
- 業務フローの再構築
- 立ち上げ初期のメンバー育成
- マニュアル・管理体制の整備
- 訪問営業への同行
これらの取り組みを通じて営業活動の質の向上に貢献し「その場でさまざまな提案をいただけるので、すぐ行動に移せて前進している実感がある」とうれしいお声をいただいております。
まとめ

成果の属人化を防ぎ、チーム全体の営業力を強化するには、効果的な「営業 トレーニング」が必要です。
本記事ではロールプレイングやフレームワーク、ゲームを使った研修など、10種類の具体的なトレーニング方法と、鍛えられる5つの重要スキルを解説しました。
しかし、最も重要なのは研修を単発で終わらせず、組織の文化として継続することです。
SFAやAIでの課題分析や目標設定、トレーニングの実施、現場での実践、データに基づくフィードバックというPDCAを回し続けることが、強い営業組織を作る方法です。
Grand Centralでは、営業トレーニングカリキュラムの提供だけではなく、戦略設計や営業代行など、幅広く営業活動をサポートしています。
営業トレーニングに課題を感じている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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