伴走型セールスコンサルティングとは?メリット・支援の流れ・成功事例まで徹底解説

「営業組織の課題解決に向けてともに歩めるパートナーが欲しい」「将来的に自立できるよう長期的なサポートができるコンサルタントを探している」といったような要望をもち、伴走型セールスコンサルティングの導入を検討しているマネージャーの方もいるでしょう。
本記事では伴走型セールスコンサルティングの概要や従来型との違い、導入するメリット、実施する流れについて解説します。自立した組織を作るためのヒントとしてご参照ください。
この記事を監修したコンサルタント
目次
伴走型支援のコンサルティングとは

伴走型セールスコンサルティングとは、組織の課題を特定・分析し、営業戦略の立案から実行、組織への定着まで支援するサービスのことです。
従来のコンサルティングとは異なり、課題の特定・分析からはじまります。最終的なゴールは、コンサル後に自走できる営業組織を創り上げることです。
そのため、下記の悩み・要望をもつ方におすすめのサービスといえます。
- 事業を伸ばして行きたいが何をしたらいいかわからない
- 課題があるのはわかるけど、具体的な全体像や原因が掴めていない
- スポット的な立ち位置ではなく、長期的な戦略パートナーとして支援してほしい
このような課題に対して、現場の把握や営業プロセスの見直し、実行・検証を経て、安定した営業組織の構築を目指します。
伴走型コンサルティングと従来のコンサルティングの違い

伴走型コンサルティングと、従来のコンサルティングの違いは「ゴール設定」にあります。
従来のコンサルティングが一部分のフェーズの最適化を目指すことに対し、伴走型セールスコンサルティングは、クライアントが自ら成果をだせるように、組織能力の向上をゴールとします。
| 比較軸 | 伴走型コンサルティング | 従来のコンサルティング |
| ゴール | クライアントが自走して活動できる状態を目指す | 商談やテレアポといった一部フェーズの最適化 |
| 関係性 | 組織の一員として定例会議や商談に同席し、組織を成功に導くプレイヤー兼コーチ | 第三者として客観的な分析・提案を行うアドバイザー |
| 提供価値 | 組織の課題解決 | レポートや研修などの提供 |
したがって、従来型のコンサルティングは、テレアポの商談率を上げたいといった一部分の解決を目指す場合に適しています。伴走型コンサルティングは、営業戦略立案から営業プロセスの見直し、研修まで包括的なサポートを求める場合に適しているといえるでしょう。
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伴走型セールスコンサルティングを導入するメリット

伴走型セールスコンサルティングには、意識改革が期待できる、経営層と現場の認識ずれを防げるなど多くのメリットがあります。
- 組織の意識改革・課題解決力の向上につながる
- 自社の状況を客観的かつ数値で把握できる
- 成果につながる改善策と実行支援を受けられる
- 経営層と現場の橋渡し役を担ってもらえる
組織の意識改革・課題解決力の向上につながる
伴走型のセールスコンサルティングは、単なるアドバイス提供ではなく、組織の思考と行動を変える仕組みづくりを目的としています。
コンサルタントは定例会議に入り、実績データと現場の動きを一緒に確認しながら、課題の整理と次の一手を具体化します。このプロセスを継続すると、営業担当者は「課題をどう見立て、どう改善案を組み立てるか」という思考が身につき、自分たちで改善を進められるようになります。
結果として、外部の支援がなくてもプロセス改善を繰り返せる組織になり、単発の成果ではなく、継続的に成果を積み上げられる営業体制が整います。
自社の状況を客観的かつ数値で把握できる
伴走型のセールスコンサルティングを導入すると、社内だけでは気づきにくい課題を、データと外部視点の両方から正確に把握できます。
社内の議論では、どうしても経験則やなんとなくの感覚に引きずられがちです。一方、外部コンサルタントは、過去の支援実績をもとに「どの指標がどれだけ落ちているか」「どの行動が売上に直結していないか」「どの工程で歩留まりが発生しているか」といった事実だけを切り出し、数値で状況を整理します。
現状を数値で把握できれば、経営層は迷わず投資ポイントを判断でき、現場は改善すべき行動がはっきりします。結果として、組織全体の営業改革がスムーズに進みます。
成果につながる改善策と実行支援を受けられる
伴走型コンサルタントは、トップセールスが行っている思考や行動を再現可能なプロセスに変換し、現場でそのまま使える形に落とし込みます。戦略を作るだけでなく、日々の商談でどう運用し、どう検証するかまでをセットで支援するため、机上の空論で終わりません。
多くの営業組織で起こる「現場が使ってくれない」という状況は、仕組みそのものよりも、定着させるプロセスが設計されていないことが原因です。営業担当者がどの場面で新しい型を使えばよいのか、成功したかどうかをどう判断すればよいのかが曖昧なままでは、どれだけ良い戦略でも運用に乗りません。
伴走型支援では、プロセスの構築から現場での使い方の習熟、運用の改善までを一つの流れとして扱います。コンサルタントが実際の商談や日報の内容を見ながらフィードバックを行い、担当者が自分の判断で使いこなせるレベルまで支援するため、「仕組みだけ作ったが動かない」という壁を越えられます。
結果として、戦略と現場が分断されることなく、営業組織全体が動くプロセスを手に入れ、成果へ直結する運用が継続していきます。
経営層と現場の橋渡し役を担ってもらえる
伴走型コンサルタントは、経営層が求める成果と、現場が抱える課題を双方向で理解し、すれ違いを防ぐ役割を果たします。これにより、プロジェクトへの納得感を組織内で醸成し、実行力を高められるメリットがあります。
たとえば、改革を実行する際、経営層は「なぜ利益が伸びないのか」という視点で話をし、現場は「このCRM入力は手間がかかる」という視点で話をします。この視点の違いが、改革への抵抗や停滞を生む一因です。しかし、外部の客観的な立場であるコンサルタントが間に入ることで、感情的な摩擦を避け、経営層と現場の双方が納得感ある建設的なコミュニケーションが実現します。
組織変革はロジックだけでは動きません。改革の意味を現場の言葉に翻訳し、納得感をつくりながら進める必要があります。コンサルタントはこの橋渡し役として、経営の意図を現場に届け、現場の懸念を経営に正しく戻すことで、組織全体が同じ方向を向くことができる環境を整えます。
伴走型セールスコンサルティングの流れ

ここでは、各フェーズの具体的な概要を解説します。伴走型セールスコンサルティングを導入する際の参考にぜひご活用ください。
- ヒアリングで現状と目標を明確化する
- 市場調査とデータ分析で課題を可視化する
- 営業プロセスとフローを設計する
- 課題解決に必要なシステムやツールを導入する
- 効果を検証して改善策を実行する
1.ヒアリングで現状と目標を明確化する
伴走型セールスコンサルティングは、経営層から現場の責任者・担当者までヒアリングを実施するところからはじまります。現状の課題認識と、目指すべき目標を明確に定義し、実行のフェーズへと移ります。
たとえば、経営層からは事業上のゴール、責任者からは組織運営で抱えている障害、現場からは日々の非効率や顧客の反応といった一次情報を引き出します。この三つの視点を重ねることで、トップセールス依存、ナレッジが流れない、目標と現場の行動が一致しないなど、課題の根本が明確になります。最初に目的と方向性を固め切ることが、改革が途中でぶれることを防ぎます。
「前年比120%を目指す」といった数値目標だけでなく、「なぜそれが必要か」「どんな営業組織をつくりたいか」を共通認識にしておくことで、施策の判断基準が一本化され、プロジェクトの推進力が生まれます。
2.市場調査とデータ分析で課題を可視化する
プロジェクト全体の方針が決まった後は、市場調査とデータ分析を実施し、課題を可視化します。Salesforceなどに蓄積したデータをもとに、受注ファネルのどこで、どれくらいの機会損失が発生しているのかを正確に把握することが大切です。
| 【データ分析で課題を可視化する具体例】 Salesforceでリード獲得から受注までの各段階の通過率を分析。その結果、「リード数は十分ではあるものの、初回商談から提案への移行率が業界平均より20%も低い」と課題を可視化できた。 |
データ分析と並行して営業同行を行い、実際の行動を観察すると、数値の背景にある要因まで把握できます。「移行率が低い理由は、初回商談でヒアリングが浅い」「ニーズ整理のフレームが使われていない」など、行動データと組み合わせることで、改善策の精度が一段と上がります
3,営業プロセスとフローを設計する
特定した課題を解消するために、トップセールスの行動を言語化し、新人や若手でも同じ成果を再現できる標準プロセスをつくります。具体的には、商談録画の分析やトップセールスへのヒアリングを通じて、以下の要点を整理します。
- 初回訪問で必ず聞くべき三つの質問
- 意思決定者への提案に進めるための判断基準
- ROIを提示する際の伝え方
これらポイントをベースとし、提案テンプレートやヒアリングシート、トークスクリプトなどの実務ツールに落とし込みます。
こうした標準化は、属人化を防ぎ、スキルを組織の資産として蓄積するための中心となる工程です。担当者は「何を・どの順番で・どのレベルまで行うか」が明確になり、迷いがなくなるため行動量と質の双方が安定します。結果として、教育コストも抑えられ、組織全体の成果が均質化されます。
4.課題解決に必要なシステムやツールを導入する
営業プロセスを構築した後、課題解決に必要なシステムやツールを導入します。効率的な仕組み作り、そして再現性のある組織を実現するには、人力だけでは限界があります。システムやツールの導入で効率化を図り、人の意識だけに頼らない、持続可能な運用体制を目指すことが大切です。
たとえば、設計した営業プロセスをベースに、CRM/SFAの入力項目や選択肢をカスタマイズし、顧客の課題やネクストアクションが漏れなく記録されるようにします。また、リードスコアが一定値を超えたら自動で営業担当にタスクが割り振られるなど、MAとSFAを連携させた業務の自動化フローも設計できるとより効果的です。
ただし、新しい仕組みを用意しても、現場の負荷が高いと定着しません。標準プロセスが自然に運用されるためには、「入力の手間を減らす設定になっているか」「必要な情報が一画面で確認できるか」といった細かい設計が重要です。使いやすい環境を整えることで、行動が継続され、データが確実に蓄積されていきます。
5.効果を検証して改善策を実行する
新しい仕組みを導入した後は、週単位の短いサイクルでKPIの進捗を確認し、計画との差を分析して改善策を実行します。これは伴走型コンサルティングの中心となるプロセスで、仕組みを使える状態に育てる段階です。
具体的には、週次MTGを定例化し、新しいダッシュボードでKPIの推移をコンサルタントと確認します。目標に届いていない場合は、「どのKPIで止まっているのか」「なぜその数値が下がったのか」「次週どの行動を試すべきか」といった点を明確にし、「次週はAパターンのトークで初回訪問を行う」など、現場が実行できる形で次の行動を決めます。
こうしたサイクルを数ヶ月繰り返すことで、計画と実行が噛み合い、プロセスの精度が上がります。同時に、MTGの進行や改善議論をクライアント側が主体的に担えるよう支援することも、コンサルタントの役割です。
どれほど優れた設計でも、最初の段階では必ずズレが発生します。「実行→振り返り→改善」を繰り返し、数値に基づいてプロセスを磨き込むことで、再現性の高い営業組織へと近づきます。
Grand Centralの伴走支援のコンサルティング成功事例
ここでは、弊社Grand Centralが実施した伴走型コンサルティングの成功事例を紹介します。これまで400社の支援を行い、顧客満足度、プロジェクト継続率ともに95%を超えています。キーエンスやオープンハウス出身の営業コンサルタントが手がけた成功事例をぜひご覧ください。
株式会社オプテージ様

株式会社オプテージ様は、伴走型のコンサルティング支援により、新規顧客の開拓に成功しています。同社は、既存顧客向けの営業活動に強みはあったものの、新規顧客に対するアプローチ方法に苦戦している状況にありました。
営業リソースを解消するためにGrand Centralにご依頼いただき、戦略設計からフィールドセールスまで一気通貫した支援を実施。具体的には、新しいアプローチ方法の提案や、実際に現場へ足を運んだり、株式会社オプテージ様のお客様にヒアリングしたりなど、さまざまなサポートを行いました。
結果として、新規顧客の開拓やヒアリングの精度を高めることに成功しています。
株式会社obniz様

株式会社obniz様は、組織の一員として稼動する伴走型支援により、ニッチ商材のアポイントの創出に成功しています。
同社は、新商品の営業が在籍していない状態にあり、リソースが圧倒的に不足している状態にありました。急な採用はリスクであることを考え、Grand Centralに営業代行をご依頼いただいたのが伴走型支援導入のきっかけです。
質の高いアポイントを獲得していくために、解像度の高いレポートの作成や商材に適した架電営業、商談を支援。今後もサービス拡大を考えた伴走を「引き続きお願いしたい」と嬉しいお声をいただいています。
社員の一員のような稼働で伴走支援を遂行。ニッチな商材で期待以上のアポイントを創出。
Grand Centralができること
Grand Centralでは、企業ごとの営業課題を的確に捉え、設計から実行まで一貫したコンサルティングを提供してきました。属人化の解消やSalesforceの運用定着、新規事業の立ち上げ支援など、多様なテーマに向き合いながら成果を積み重ねています。
本章では、Grand Centralの特徴やこれまでの成功事例を紹介します。
Grand Centralならではの3つの特徴
伴走型の支援をはじめ、さまざまなコンサルティングサービスを提供しているGrand Centralは、下記の3つの特徴をベースに企業様の成果創出のお手伝いをしています。
- 戦略設計から伴走するコンサルティング
- 平均値を底上げするコーチング研修
- 客観的に可視化するアセスメント
前述の成功事例でも解説したとおり、Grand Centralは上流の戦略設計から伴走型で支援を提供しています。
また、安定して成果を上げられるようになるよう、キーエンスやオープンハウス出身のコンサルタントがコーチング研修を行い、コンサルティング後も自走して再現性の高い営業活動を行える組織づくりをサポートしてます。
Grand Centralのご支援実績
Grand Centralは、創業以来400社以上の営業コンサルティングを提供しています。大手企業からスタートアップまで幅広く支援を行い、顧客満足度、プロジェクト継続率ともに95%を超えています。
目標の定義や戦略立案など上流から支援する場合や、Salesforceの実装といったスポットのご相談まで、支援内容もさまざまです。これまで属人化の脱却や、新規顧客の開拓など、多くの結果を残してきました。
「そもそも課題がわからない」「チームで安定して成果をだせるようになりたい」と、営業活動に少しでもお悩みがある場合はお気軽にご相談ください。経験豊富なトップセールスが丁寧にサポートします。
まとめ

伴走型セールスコンサルティングは、コンサルタントが組織の一員として意識改革や営業プロセスの設計などを進めていく支援方法です。自社の現状を数値で把握できる、上層部と現場の橋渡しとなりコミュニケーションが円滑に進むなどの効果が期待できます。
ひとりのパートナーとしてコンサルタントが支援をするため、「何から手をつけたらいいかわからない」といった課題を抱えている場合におすすめです。
Grand Centralでは、伴走型のセールスコンサルティングはもちろん、セールスDXや研修などのサポートも提供しています。少しでも気になる経営者の方、現場責任者の方はお気軽にご相談ください。
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